- Apr 30, 2018
待機児童
待機児童対策の一環として、りんごの花保育園を開園することができました。福岡市の公立保育所を民営化する政策が出された12年ほど前から、自分の保育園が作りたかったので、運営者募集に応募していました。公立保育所を民営化することへの反対意見が多いなかで、応募者には保護者の方に向けてプレゼンテーションをすることが求められました。何日もかけて作ったプレゼンテーションですが、公立保育所の保育内容とはかなり違っていたので、保護者の方の反応はあまり良くなかったように思います。それ以前に、実績がない個人が応募することさえ、場違いな感じでした。 公立保育所の民営化の検証が公開されていましたが、今そのことについて異を唱える声はあまり聞こえてきません。それよりも、待機児童を失くすために、子どもを預かる場所を増やすことの方が最重要課題になっています。福岡市の人口はもうしばらく増加しそうなので、待機児童はなくならないでしょう。数の論理が先行する中で、保育の質が後回しにされないか気になります。 出生率は変わらないので、今までのデータから言えば、待機児童はもう減少してもいいはずな
- Apr 29, 2018
きょうだい
私が2人目を出産した頃、周りの人から、「赤ちゃんは、何もわからないから放っておいても大丈夫。お姉ちゃんが焼きもちをやかないようにお姉ちゃんをしっかり見ていなさい。」と良く言われました。最近、これは正しくもあり、間違ってもいると思うようになりました。 まず、赤ちゃんは何も分からないというのは間違っています。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時から、耳が聞こえているし、生まれた直後からぼんやりですが目も見えています。お母さんの声や日本語と他の国の言葉を聞きわけることができることもわかっています。眠っている間も、五感を使って様々な情報を取り込もうとしているとても有能な存在です。 赤ちゃんが生まれると、それまで周りの大人の愛情を一身に受けて育ってきたきょうだいが焼きもちを焼くのは当然です。大人の気を引くために、できることをしなくなったり、ささいなことで泣いたりします。赤ちゃん返りで悩むお母さんも多いようです。 子どもは、お母さん(養育者)にきょうだい同じように愛してほしいのではなく、自分の方をより愛してほしいと思っているのです。お母さん(養育者)は、きょ
- Apr 28, 2018
食べる
少し前、ヤフーの知恵袋に、子どもが食事の時に食べこぼして、床やテーブルが汚れて困るので、何かいい方法はないですか?という質問がありました。ベストアンサーに選ばれたのは、「お風呂で食べさせて、終わったらそのまま洗い流す」でした。大真面目の答えで、それを支持した人がたくさんいたことにショックを受けました。 食事は、空腹を満たすだけのものではありません。食べ物の名前や役割を知ったり、大好きな家族と一緒に食べて心が満たされたり、食事のマナーを学ぶなど、心と身体を育てる場です。子どもがお風呂場で一人で食べさせられている場面を想像しただけでぞっとします。 人間以外の動物は、他の動物に攻撃されることを恐れ、食べる時はただ一心に食べます。人間だけが食事を楽しんで食べるのです。人間の赤ちゃんだけが、ミルクを飲む時に、休み休み飲みます。 先日、6ヶ月のHくんにミルクを飲ませました。H君は、母乳だけで育てられたので、なかなか哺乳瓶を受けつけてくれません。それでも、やっと飲んでくれるようになったところでした。初めて飲ませる私のことを、Hくんは、「この人だいじょうぶかしら
- Apr 27, 2018
フフッ
開園してから、たくさんの未満児の保護者の方が見学に来られます。今日も1歳になったばかりのかわいい女の子を抱っこして、お母さんが見学に来られました。給食を食べているところと、食べ終わってお昼寝に入る様子を見てもらいました。先週と全く違って、みんな泣かずに落ち着いてしっかり食べている姿を見て、私も驚きました。生活の流れがわかり、安心して過ごせるようになりました。すごいですね、こんなに小さいのに。 見学の1歳児の女の子が、みんなが遊んでいるのに惹かれるように、保育室の中をハイハイしていた時におもしろいことが起こりました。なかなか慣れず、まだ泣いていることが多い1歳児のYくんを抱っこして、見学のお母さんとお話をしていたのですが、スルッと下に降りて、ハイハイをしている女の子に近づくと、チュッをしようとしたのです。それもとびきりの笑顔で。今までのYくんの姿から想像できないことでした。ビビっとくるものがあったのでしょう。微笑ましくて、笑ってしまいました。 りんご組は、昨日に引き続き、若八幡宮までお散歩に行っていました。たんぽぽの綿毛をたくさん飛ばしてきたのでし
- Apr 26, 2018
自由に
やっとの思いで開園したりんごの花保育園は、子どもたちが自由にのびのびと過ごせる園にしたいと思っていました。なのに、園舎内のドアは全て鍵がついているので、鍵を掛けなくてはいけないような気持ちになっていました。園の前の道路は車通りが激しいので、絶対に子どもだけで外に出ることはできません。階段がある園は初めてなので、それも警戒心が強くなった一因だと思います。 今まで、鍵を閉めたことはなく、子どもたちに言い聞かせ、子ども自身が考えて行動するようにしてきました。環境が変わると、随分不自由な保育になったような気がしていました。 午後、事務所で仕事をしていると、4歳児の女の子が二人で階段を下りて来て、楽しそうに、「アレ、鍵がしまってる。どうする?」と話す声が聞こえました。「二人だけで降りて来たの?」「うん、私はつぼみ組、〇〇ちゃんは、はな組に先生のお手紙を持って来たの。」「そうか~。ふたりだけで来たんだね。すごいね。」と言うと、二人はとっても嬉しそうな、誇らしそうな顔をして、それぞれ頼まれた部屋に入って行きました。 閉塞感を感じていたのですが、この二人の姿に安