さぽ~と保育
発達障害のお子さんが増えているというイメージを持っていらっしゃる方が多いと思いますが、今日受けた研修の講師の先生は、発達障害への関心の高まりが、その原因の一つで、以前と比べて増えたわけではないと話されていました。
自分のお子さんに気になるところがあれば、発達障害ではないかと不安になり、発達検査を希望する保護者の方が増えているようです。発達検査は、医療心理士・臨床心理士など大学院を出て国家資格を持っている人しかできないので、ニーズに追いつかず、2~3か月先まで予約ができないという話をよく聞きます。
今日は、K-ABCⅡとWISC-Ⅳの発達検査について研修を受けましたが、問題の多さや難しさを実際に体験し、子ども達がこの検査を受けるときのストレスの大きさを実感しました。当然、検査は目的ではなく、子どもに合った支援をするために行うものです。発達検査の結果を理解できるよう、もっと研鑽を積まなくてはと思いました。
保育園では、気になるお子さんがいれば、発達検査を受けてもらい、必要があれば福岡市の『さぽ~と保育』を申請してもらっています。この人数は年々増えていますが、他の園も同じような状況です。『さぽ~と保育』には、支援1・2・3があり、支援1であれば、3人に1人、2であれば、2人に1人、3であれば1人のお子さんに1人の保育士が配置できるようになります。
りんごの花保育園は、ほとんどのお子さんが支援1なので、3人に1人の保育士を配置している状況です。それぞれのニーズが違うので、3人に1人では難しい場面もありますが、いつも同じ先生がそばにいてくれることで、支援が必要なお子さんが安心して成長していることを実感しています。
『さぽ~と保育』を受けているお子さんは、環境の変化に弱かったり、状況の受け止め方が難しかったり、友達とのかかわりに課題を抱えています。でも、大人がそばにいると、難しい状況を察知し、早めに対応することで、誰もが傷つかないようにすることができていると思います。その日々が、さぽ~と保育を受けているお子さんに、友達を信頼する気持ちを育て、自分への自信(自己肯定感)を育てていると感じています。
子ども達は、ちょっとしたかかわり方の違いで、その成長が変わり、楽しい時間や経験が子ども達の毎日を変えていきます。『さぽ~と保育』担当の先生だけでなく、他の先生もかかわり方を共通理解しているので、みんなでその成長を見守っているのも成果に繋がっていると思います。
『さぽ~と保育』を利用することに戸惑いがあると思います。私も少し前までそう思っていました。でも、ある研修会で「『さぽ~と保育』を利用することには、何もリスクはない、その子が伸びて、周りの子ども達と良い関係がつくれるのだからぜひ利用してください」と言われたことで、考え方を変えることができました。
その年齢、その時期に必要な支援が手厚く受けられれば、その後の成長や問題を切り抜ける方法も獲得できると思います。一番怖いのは、不適切な対応で子どもが傷つき、二次障害を起こしてしまうことです。私たちは、がんばって発達検査を受けてくれた子ども達のために、発達検査を理解し、それを活かしていかなくてはと改めて思っています。
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