しなやかな心
- 智子 大瀧
- Jan 6
- 2 min read
今日は午後から、園長人権研修で、T高校の校長先生の講演をお聴きしました。T高校は『名前を書けば受かる学校』と、随分昔に聞いたことがあります。
令和6年度の生徒数は定員450名に対して539名で、全校生徒の約8割が不登校経験者だそうです。志願者が多すぎて、名前を書いても不合格になる子がいて、今はそれが辛いとお話されていました。
最近は、一人ひとりの違いを大切にする教育の話を聞くことが多いので、こんな高校が増えていると思っていましたが、やはりごく少数派で全国から受験をする人がたくさんいるようです。こんな高校が全国にできると、周りの学校にも大きな影響を与えるので、もっと増えるといいのにと思います。
これまでの教育は、社会を安定させるために、みんなが同じであることを求められて来ました。みんなが同じようにすることが当たり前なので、みんなと同じようにできない子たちは学校から弾き出されてしまいます。家庭でも「どうしてできないの?」と責められて、苦しんでいる子もたくさんいます。そんな子たちを受け入れているT高校は学校に行きたくてもいけない子の最後の砦なのかもしれません。
集団教育では、対立を避け、みんな仲良くを求められます。対立を経験して合意形成をする経験を知らない子ども達は、みんなと同じことで安心し、違いを認めることができなくなります。歪んだ仲間意識が、違いを排除することにもつながってしまうかもしれません。
心に傷を負った子たちと日々過ごされている校長先生の言葉で印象的だったのは、大人がしなやかさを失いすぎていないか?という問いかけです。子どもの仕事は、大人の手を煩わせることで、大人の役割は子どもから振り回されることという言葉に、自分自身も子どもにいい子、手がかからない子を求めていなかったかと振り返させられました。子どもが子どもらしく、今を楽しく過ごせるように、しなやかな心を持ちたいと思います。
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