top of page

わざと?わざとじゃない?

 保育園では日々様々な多くのトラブルが起こります。小さい子ども達の集団なので当然で、そのトラブルを通して子ども達は人間関係を学び、コミュニケーション能力を発達させていきます。


 そうはわかっているのですが、トラブルが頻発します。トラブルの中で難しいのが、わざと(故意)とわざとじゃない(故意ではない)の区別です。例えば、後ろから押された時、押した子はわざとじゃなく前方にあるものを取ろうとして押してしまったということが起きます。押した子は「わざとじゃない。アレを取りたかったから・・・」と状況を説明します。押された子が「わかった」と言ってくれればその場は収まるのですが、「違う!わざとした!」と言えば、「わざとじゃない!「わざと!」と言葉の応酬になってしまいます。


 そうなると、先生たちが間に入り、お互いの気持ちを聞きながら、状況を見て「わざとじゃないと思うよ。アレを取りたかったんだって」と話すのですが、それでも収まらないことがあります。わざとかわざとじゃないか、それを見分けるのはとても難しいです。そこには見えないそれぞれの気持ちが働くからです。


 わざとか、わざとじゃないかを受け入れるのは、その子の気持ちの持ちようが大きく関わっているように思います。自分のことが好きで友達は自分のことを好きでいてくれると思えば、「わざとじゃない」を受け入れられるでしょう。自分に自信がなかったり、他の子に安心感を持つことができないと、「わざとじゃない」を受け入れるのは難しいのかもしれません。


 こういうトラブルは頻繁に起きていて、「わざとじゃないけど、ごめんね」「わかった、いいよ」と言う経験ができればその経験が自分と人への信頼感に繋がります。「わざとじゃないけど、ごめんね」という言葉を受け入れられなければ、「自分はまた〇〇さんにこんなことをされた」という誤学習を繰り返してしまうことになります。


 これは子ども対子どもの間だけで起きるのではなく、子ども対大人の間でも起こります。子ども達がトラブルや失敗をしてしまった時、大人が「わざと」とみるか「わざとじゃない」とみるかで対応は大きく変わりますね。子どもは、日々子ども同士や大人との関係の中で人間関係やコミュニケーションのあり方を学んでいることを心に留めておかなければと思います。

 

Comments


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page