パワー

　『みーちゃんのおはなしかい』でした。毎回、優しい語り口で、絵本やお話の世界に子どもたちを誘ってくださるこの時間を楽しみにしています。

　今日は、ペープサートの『ふたりのあさごはん』が子どもたちの心にヒットしたようで、繰り返し出てくるネコの《おかかごはん》に大きな笑い声が起きました。お話会が終わった後に「ペープサートの絵は随分昔の絵ですね？」とお話会の先生方に尋ねると「もう何十年も前に（お話会の）みーちゃん先生のお子さんが幼稚園の年長組の時に描いた絵なんですよ」と教えてくださいました。

　あれが子どもの絵なんて、それも年長児の絵なんて驚きです。プログラムの絵を見るとわかりますが、Kちゃん先生はとっても絵がお上手です。「みーちゃん先生に、もう古いから新しく描いてって頼まれるんですが、あの絵のパワーにはとてもかなわないからずっと使っているんですよ」とKちゃん先生がおっしゃっていました。

　本当にすごいパワーで子どもたちを惹き付けました。絵の力はすごいですね。月曜日、男の子は目玉焼きを食べ、猫はおかかごはん、火曜日、男の子はトマトを食べ、猫はおかかごはん・・・と、その繰り返しがおもしろくて大笑い。でも、土曜日の朝、男の子は寝坊したので、食べたのは猫からもらったおかかごはん・・・という予想外の展開がまたおもしろかったようです。

　毎回、最後にお話のローソクを消すのは誕生月の子の嬉しい役割です。りんご組（3・4・5歳児）で6月生まれは3組のKくんだけでした。ちょっと繊細なKくんが一人で大丈夫かな？と見ていたのですが、とても堂々とローソクの火を消してくれました。「ボク、６月！」とKくんが先月発言した言葉をお話会の先生はしっかり覚えていらっしゃいました。

　Kくんのお母さんはもうすぐ出産されるので、里帰りをされています。Kくんはここ（福岡）に残るか、お母さんについていくか随分迷ったようです。「Kに任せます」と、お母さんはKくんの意思を尊重されたもののKくんがここに残ったのはとても寂しかったと思います。なぜお母さんのことが大好きなKくんはここに残ると決めたのでしょう？

　お父さんを一人にしたくなかったことと、りんごの花保育園のお友達と一緒にいたいことが理由だと聞いて胸がキュンとなりました。お母さんと赤ちゃんが帰ってくるまで、Kくんが楽しい毎日を過ごせるようにしたいと思います。お兄ちゃんになるための準備をがんばっているKくんは、もうステキなお兄ちゃんです。