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システムの転換

 市の園長会で研修部員をしているのですが、先日、りんごの花保育園が児童発達支援事業所に選定されたことを知った他の園長先生が、ため息まじりにお話されました。


 「うちも、サポート保育を受けている子やグレー(疑いがある)の子が多くて、その対応が大変で先生たちが疲弊して、いい先生が自信を無くしてやめてしまうから、本当にもったいなくて・・・。」


 サポート保育には、市から支援区分1から3に分かれた補助金がでるのですが、ほとんどのお子さんが支援区分1(軽度)という判定で、保育士の時給が1000円としたら、74時間分しか出ません。


 1月74時間だったら、1日4時間としても18.5日分の人件費にしかならず、一人の先生が4人くらい担当しなくてはいけないことになります。サポート保育のお子さんは、それぞれ特性や行動が違うので、一人で4人を保育するなんてことはできません。その結果、特性などに配慮することができず、無理やり集団の場に入れるということも起こってしまいます。


 無理やり集団の中に入れれば、叱られることも多くなり、子どもは自信をなくしてしまいます。自信をなくし、人への信頼感が育たないまま小学校に入学すると、さらに大きな集団に適応できず、不登校になってしまうのは当然の流れのように思います。子どもが悪いわけではなく、保育者が悪いわけでもなく、システム(制度)の問題ではないでしょうか?


 りんごの花保育園は、7人のサポート保育のお子さんに対して、加配の先生が2.5人います。9月までは児童発達支援管理責任者の資格を持つO先生もいてくれるので、比較的支援が届いていると思いますが、保育士不足の現状、どこの保育園もそんなにたくさんの保育士を雇用することはできないと思います。人件費が足りない分は、園がどうにかしなくてはいけないので、経営が圧迫されます。


 保育園で4時間保育のお子さんはいません。もっと現状に合った人件費を考えてほしいと思います。人手が足りなければ、職場の雰囲気は悪くなり、一生懸命頑張る人ほど自分の力不足を嘆きながらこの職場を去っているのではないでしょうか?


 システムを変えなければ、保育士はさらにいなくなり、保育士になりたい人もいなくなってしまうでしょう。現場に合ったシステムの転換を心から願います。


 

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