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リスク管理

九州産業大学建築都市工学部都市デザイン工学科の先生と学生さんが、研究と卒論のために、災害時の対応などについて話が聞きたいとりんごの花保育園に来られました。りんごの花保育園のブログを見て下さって、これまで水害や台風でアタフタしたことに興味を持たれたようでした。


 いろいろお話しているうちに、開園した年(開園して3か月後)に遭遇した大雨の時のことが蘇りました。私は博多区で生活してきたので、この辺の土地に全く知識がありませんでした。ハザードマップで洪水のリスクスポットに入っていることは知っていたものの、その怖さを想像することはありませんでした。言い訳をすると、開園準備でそこまで考える余裕がなかったのです。


 2018年7月6日、これまで経験したことのない雨が降りました。もう止むことはないんじゃないかと思うほど長時間大雨が降り続きました。室見川が決壊しそうという話を聞いて、何度も見に行きました。子ども達を連れて避難しようと思いましたが、途中の道のりを考えると危険だったので、保護者の方に電話をかけて迎えに来てもらいました。


 そんなことを思い出し、話しながら、リスク管理の難しさを改めて感じました。近年、想定を超える自然災害が頻繁に起きています。どこまで想定すればいいのか、きっと誰も答えを持っていないと思います。だからこそ、日ごろの訓練が大事だと思うので、月に1度の避難訓練、年に1度の水害の避難訓練、年に3回の不審者対応訓練をしています。


 いつもはりんごの花保育園の保育方針どおり、自分の主体性を発揮して自由に行動している子ども達も、避難訓練の時は迅速に先生たちのところに集まり、静かに話を聞いています。この話を聞かれた九州産業大学の先生が「子ども達と先生たちの信頼関係ができているってことですね。」と言われました。


 本当にそうです。何か怖いことが起きたときは、先生のところに行って静かに話を聞くこと、そうすれば先生たちがみんなの命を守ってくれると、子どもたちが先生たちを信頼しているからでしょうね。今日の避難訓練でも、大きな声を出さなくても、注意をしなくても、スムーズに避難をして、静かに話を聞いていました。改めて園外の方と避難訓練や危機管理の話をすると、できていることと検討しなくてはいけないことがよくわかりました。


 最後に学生さんが、「いつも(私が授業で)学生に小さい頃に読んでもらった絵本は何か聞くとブログに書かれていたので、僕も答えを準備してきました。」と言って、『わすれられないおくりもの』『ビロードのうさぎ』そして、もう1冊・・・(その時は覚えていたのに思い出せなくて悲しいです)の絵本のタイトルを教えてくれました。その3冊の絵本のタイトルを聞いたときに、お母さんにたくさんの愛情をそそがれて育てられたんだろうなと想像できました。そんな学生さんとの出会いも嬉しい一日でした。


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