乳児保育の専門家
昨日は、乳児保育のキャリアアップ研修の3回目に係員として出席しました。キャリアアップは、15時間の講義とレポート提出が必須で、認められれば、処遇改善の対象となります。いつも身体を動かしている先生達が長時間の座学を受けるのは大変だと思いますが、真剣に受講されていました。以前、他のキャリアアップで居眠りをしていた人が受講修了を認められなかったという話を聞いて厳しいと思いましたが、当然ですね。キャリアアップが目的ですから。
乳児保育は、保育園の要です。1年間育児休暇を取得される方が増えているので、0歳児入園は減っていますが、それでも乳児保育は保育所保育の基礎であり、要だと思っています。人間の一番成長が著しい時期に関わり、6年間もその成長を見続けることができます。卒園の時、赤ちゃんの時の姿を思い出して、胸がいっぱいになるのもこの仕事ならではです。おうちの方と過ごすよりも長い時間一緒にいるので、感じた成長も、見つけたその子らしさもずっと心に残っています。
乳児保育の研修を受けながら、改めて保育士が蓄積する乳児保育について、その知識の専門性の高さを実感しました。基礎的な理論の上に、子ども達と日々関わりながら、身に付けている経験値があります。子どもは一人一人違うので、その対応について日々悩みますが、その解決のために試行錯誤し、他の先生たちにアドバイスを受けながら乳児保育者としての専門性が高まっていきます。
そう考えると、この専門性を社会のために活用しないのはもったいないと思います。少子化が進む現代社会で、ほとんどの方が子育ての伝承もなく、初めて出会う赤ちゃんの子育てに悩んでいます。食事・睡眠・排泄・遊び・・・それぞれに悩みは尽きないでしょう。そんな時、相談できる人、預けられる場所があれば、きっと子育ての負担感は軽減されると思います。
現在の制度では、ご両親の就労や疾病など預けるための条件があります。周りに助けてくれる人がいた頃ならそれでよかったのでしょうが、子育てを取り巻く環境は大きく変わっています。仕事をしていなくても、助けを求めている人がたくさんいらっしゃると思います。待機児童がいなくなった今、そんな方たちの力になれるのは、保育園ではないでしょうか?乳児保育のキャリアアップを受講されている方たちの姿を見ながらそんなことを考えていました。