二重拘束の罠
発達障害の研修動画で信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長の本田秀夫先生をYouTubeで見てから、ずっと追いかけています。発達障害について、こんなにわかりやすくおもしろく(?)話してくださる先生の存在は偉大です。私は最近本田先生のことを知ったのですが、『プロフェッショナル仕事の流儀』にも出演されたそうなので、相当ご高名な先生のようです。
子育てについてもお話されている動画があるのですが、その中で心に残ったことをお伝えしたいと思います。子どもに対して「二重拘束の罠」を仕掛けていないか?という問いです。
「二重拘束の罠」とは、子どもに相反する二つのことを同時に要求することです。たとえば、子どもがなかなか宿題に取り組もうとしない時、「早く宿題をしなさい」と急かし、子どもが急いで宿題を終わらせたら「間違っているよ」と指摘することです。
早く宿題をすれば、ミスが出ます。早くするように要求して、そこで間違えたら叱るというのが、大人が仕掛けた『二重拘束の罠』です。大人でも仕事を早くすれば、ミスを犯してしまいますよね。考えたら、当然のことですが、子どもに対して、相反する2つの要求を出していることはないでしょうか?
職場で大人に対してそんな無茶な要求を出すことはないのに、子どもが相手だと、自分の思い通りに子どもを動かそうとしていることがありますね。私もそうでした。自分が子ども時代、大人の言葉をどう受け取っていたのか、自分が子どもの時は、そんな無茶な大人の要求にこたえることができたのか、時々振り返って、子どもの立場になることも必要ですね。
因みに、宿題をする時に、早くすることを要求するのか、間違えないことを要求するのか、どちらを優先させればいいのかについても本田先生は語られています。勉強は、丁寧にゆっくり取り組むと、だんだん早くできるようになり、ミスも減って来るので、落ち着いてゆっくりすることを優先させた方がいいそうです。なるほど。
ご褒美のあげかたにも注意が必要だそうです。勉強ができたらご褒美をあげるのは、子どもに間違ったメッセージを伝えてしまうそうです。勉強は誰のためにするのでしょうか?自分のためですよね。子どもがお手伝いをして、家族が助かった、嬉しかったなど、誰かのためになったことなら、ご褒美をあげることがあってもいいのですが、勉強することにご褒美をあげると、(親のために)勉強をしてあげているという気持ちになってしまうそうです。これもなるほどです。どうぞ参考にしてください。
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