保育の質と処遇改善
先週初め、りんご組(3・4・5歳児)保育室に向かう階段には、色鮮やかな絵の具で描かれた絵が飾ってありました。発色がきれいで、さわるとザラザラして凸凹もあり、おもしろい出来栄えでした。思わず「きれい!」と声がでるほどだったのですが、翌日にはすっかりなくなっていました。どうして?と思ったら、塩を使ったので、暑さで解けてしまい、重さに耐えきらなかったそうです。
ステキな作品を見られたのは何人かの保護者の方だけだったと思います。暑さで塩が解けて重みで貼れないなんて想定外だったでしょう。担当したM先生はがんばったのに、報われなかったので、がっかりだったと思いますが、塩を使った絵具遊びは子ども達にとっては楽しい経験だったと思います。
今年のりんご組(3・4・5歳児)は、先生たちの配置人数が多いので、保育活動に広がりや深まりがあって子ども達がとても満足そうです。絵具を使ったり、様々な材料を使って製作したり、以前だったら年に何回しかできなかったような活動が毎日のように行われています。キラキラデーの活動も、さらにおもしろさが増しています。先生たちの人数が多いだけではなく、経験年数が長いのも大きいと思います。
以前のブログにも書きましたが、りんごの花保育園の職員の平均経験年数は12年を超えているので、チーム保育加算を受けています。1人分の人件費が加算されているので、こんなに豊かな保育活動が行えるのだと思います。
来年から、職員配置が改善され、1歳児が6人に1人の保育士配置から5人に1人へ、4・5歳児は30人に1人から25人に1人になるようです。経営的にとても助かりますが、保育士不足は相変わらず続いているので、保育士がいなければ、配置できない園も出てきます。先日、配置加算が受けられる見込みがあるか(それだけの保育士を雇用できるか)という全国アンケート調査がありました。保育士が足りない園もたくさんあるようです。いくら制度ができても、保育士がいなければ利用することはできませんね。
改善された保育士配置ができるかどうかで保育の質や労働の質は大きく変わります。子どもの命を預かっている重責や業務の多さ、複雑さを考えると保育士のなり手も、続ける人もますますいなくなるかもしれません。誰もが生き生きとこの仕事を続けられるような処遇改善が進むことを願います。
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