保育園で育つという価値

 昨日、保育所保育指針に沿った保育を行うことの大切さについて書きました。中村大学の那須信樹先生も、学生に、「保育所保育指針をバイブルとして持ち歩くように」と話されているそうです。私も、保育に迷ったら、保育所保育指針を思い出すようにしています。


 保育所保育と家庭保育は似ているようですが、かなり違うところがあります。基本的なことは同じであったり、共通項はたくさんあるのですが、保育所は保育に関する専門的な知識を持った保育士が保育を行うのですから、違って当然だとも言えます。


 子どもは家庭で母親から1対1で愛情深く育てられることが一番良い・・・これは正解でしょうか?1対1が良い時もあれば、弊害が出ることもあるでしょう。愛情深くあればいいのか?その愛情の質にもよるかもしれません。


 保育園では、お母さんの代わりとして・・・ではなく、基本的信頼関係を築いた一人の保育士として子ども達に関わっています。保育園なので、1対1というわけにはいきませんが、そのかわり、自分ができることは自分でしようという気持ちが育っていきます。


 見学に来られる方が、未満児クラスの子ども達が、給食時間にみんな椅子に座って自分で食べているのを見て驚かれますが、それができるようになるのは、他の子ども達がいるという集団の力であり、保育士が見通しを持って適切に援助をしているからだと思います。


 食事の時には、椅子に座って食事をしてほしい、午睡の時にはできるだけ自分で眠るようになってほしいと保育士が願うからこそ子どもに伝わるのでしょう。子どもはたくさんの力を持っています。それを引き出すのは大人の役割ですが、家庭ではすぐに手を貸してしまってなかなか難しいというのもよくわかります。それが保育園でできるのは、子どもの力を信じ、〇月には〇〇できるようになるだろうという見通しを持って保育計画を立て、日々願いを伝えながら、一人一人に合わせて関わっているからだと思います。


 家庭保育の良さは十分理解しています。家庭の中で愛情深く育てられるのはもちろんとてもいいことです。でも、保育園で専門的な知識がある保育士によって、一人一人に合わせた保育計画に沿って、望ましい方向へ育てていく保育所保育は、家庭保育にはない良さがあります。


 もうひとつ忘れてはいけないのは、子どもの集団があるということです。子どもは子どもからたくさんの刺激を受け、真似をしながら、真似をされる自分に誇りを持ちながら育っていきます。家庭の中だけではなかなか経験できない子ども同士の関わりが子どもの成長を後押しするのでしょう。


 近い将来、保育園で育つことが当たり前で、それが子どもの育ちにとって必要だと広く社会に認識される時代がやって来そうな気がします。それだけの価値があるます。その思いが強くなってきたので、これからさらに保育所保育の良さを発信していきたいと思います。

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