傷みを乗り越える

 今朝、私の姿を見つけた3歳児のKくんが走って来て、「園長先生、Kね、チクンしたけど泣かなかったよ。」と教えてくれました。昨日の夕方、Kくんのお母さんが、こっそり「今から予防注射に行くんですけど、Kには言ってないんですよ。」と話してくれました。


 Kくんは繊細なところがあるので、注射をしに行くと聞いたら、きっと泣いて連れて行くのが大変だからと内緒にして連れて行かれたのだと思います。でも、Kくんは、見事に泣かずに注射を乗り越えることができました。それが大きな自信になったのでしょう、いつも朝は少しブルーな様子が見られるのに、今日は仲良しのHくんと一緒に走り回り、おどけて笑い合い、生き生きしていました。


 先週の土曜日、2歳児のTちゃんが三輪車を押していた時に、2輪車を押している1歳児のYくんにぶつかってしまい、思わずYくんがハンドルを離し、それがTちゃんの足の甲に落ちてしまいました。とても痛かったと思います。大きな声で泣いているTちゃんの足を見ると、青染みができて腫れていました。


 しばらく冷やしていたTちゃんが遊びだしたので、「Tちゃん、足は大丈夫?」と訊くと、「Tちゃん、イタイイタイ、アムするね。」と言って、右手の親指と人差し指で腫れている足の甲をつまむ真似をして、口に入れました。


 あまりのかわいらしい仕草に、「すごいね、イタイイタイ、アムしたんだね。もう痛くない?」と尋ねると、「うん。」と言ってまた三輪車に乗って遊びに行きました。


 日本には、子どもが痛い思いをすると、「痛いの痛いの飛んでいけ~。」というとなえ言葉がありますが、世界中どの国にも同じようなとなえ言葉があるそうです。子どもの痛い思いを少しでも軽くしてあげたいという大人の願いはどの国の人も同じですね。


 子どもはすぐにケガをします。小さなケガは大きなケガを防ぐと言われているので、ケガも大事な経験です。痛い思いをするので、自分で自分の身を守る術も身についていくのでしょう。でも、どんな小さなケガでも、子どもにとっては一大事です。「そんな小さなケガくらい・・・。」と言わずに、子どもの痛みに寄り添い、小さな痛みを乗り越えていく子ども達を側で見守ってあげたいですね。

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