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医療的ケア


 昨日サポート保育のことについて書きましたが、訪問に来られた福岡市の特別支援保育担当者の方から、医療的ケアが必要なお子さんを受け入れることができるか尋ねられました。

 昨年度、医療的ケアが必要なお子さんを保育園に受け入れる制度が整い、今年度から動き出しているそうです。医療的ケアというのは、痰の吸引や、導尿などです。医療的ケアなので、看護師の方を雇用する必要があります。ケアの程度は、お子さんによって様々であり、現在、福岡市に毎日のように、保育園入園に関して問い合わせがあるそうです。


 14年前、東京で痰の吸引が必要なお子さんを公立保育園に入園させようとしたところ、医療的対応である痰の吸引ができないこと、受け入れの環境が整っていないことを理由に、保育園が入園を拒否し、裁判になったことがありました。

 裁判の結果、保育園側が敗訴したことを記憶しています。当時、保育園で働く者として、とても対応できないと思いました。14年経った今、制度として体制が整ったのですから、保育園でも受け入れなくてはと思います。


 どの子にも保育を受ける権利があります。社会の一員として生きる準備が必要です。保護者の方にも、自分のやりたい仕事をする権利があり、それを支えるのが保育園の役割です。


 現在、サポート保育は一般的になっていますが、20年前主任として勤めていた頃は、なかなか受け入れる園がなくて困っていらっしゃる方がたくさんいました。当時、重度のお子さんとの出会いがあり、たくさん学ばせて頂いたことで、積極的にサポートが必要なお子さんを受け入れるようになりました。その中で実感したことがあります。

 

 年齢が低いほど、サポートが必要なお子さんに対する偏見がないことです。小さいころから同じ時間を過ごしていると、一緒にいるのが当たり前で、成長するにつれて、自然に援助してくれるようになります。


 サポートを受けるお子さんも、サポートをするお子さんも、共に相手を思いやる心が育つのです。社会には様々な個性を持つ人がいて、その個性を理解し、尊重することで健全な世界が成り立ちます。


 りんごの花保育園でも、医療的ケアが必要なお子さんの受け入れを考えていきたいと思います。


 

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