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子育てに厳しさは必要?

 日々子どもと関わるなかで、子育てに厳しさは必要なのかと考えることがあります。私が子育てをしていた頃は、躾にはいつも厳しさが潜んでいて、厳しく叱らないから、また悪いことをする、甘やかすからつけあがるなどと言われていました。今も、まだそんな考えをもって子育てをしている方もたくさんいらっしゃると思います。子育てに正解はないので、それぞれの価値観を尊重することは必要です。子育ては伝承するので、まだまだ厳しさを求める子育ては続いていくのでしょう。


 以前、こんなエピソードを紹介したことがあります。幼児教育家の井桁容子先生が、ある保育園を見学に行かれた時のお話です。

 一人の女の子が、着替えている時に、頭が襟元から出なくて、もがいていたそうです。隣の女の子はその様子を何も言わずにじっと見ていました。やっと襟元から女の子の頭が出たのを見て、隣の子は安心したように自分も着替えを始めました。

 見学が終わった後に、その話を担任の先生にすると、「それでいいんです。自分のことは自分でできるように、友達を手伝わなくてもいいと言ってるんです。」と言われたそうです。

 ちょっと胸が痛くなるお話です。こんなに小さい時から、自分のことは自分でするように、友達が困っていても手伝ってはいけない、それがその子のためだから・・・。これを読んで、「そうだよね。それが子どものためだから。」と納得される方もたくさんいらっしゃるでしょう。

 井桁先生は、困った時に、友達に「助けて」と言えないことや、困っていても助けてあげることはよくないという関係性の中で子どもが育っていくことを憂いてありました。

 子どもは自分のことは自分でやりたいと思っています。でも、できない時ややりたくない時もあります。大人にとってはたかが着替えでしょうが、子どもはやっと獲得した能力をフルに使って、とても大変な思いをしているのかもしれません。

 自分に厳しさを求めることは必要でしょうが、人に対して、さらに子どもに対して厳しさは必要なのでしょうか?いろいろ考えさせられます。

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