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差別のない社会へ

 昨日の園長会で、待機児童が出るかもしれないので、できるだけ受け入れてほしいという話があったことをブログに書きましたが、障がいがあるお子さんの受け入れについての話もありました。現在、保育所等における障がいのあるお子さんの受け入れ数は約9万人で、10年前と比較すると約2倍になっているそうです。


 国は、障害者差別解消法に基づき、障がいを理由とした差別を解消する取り組みを進めています。障がいを理由に保育所の入所を断ったり、受け入れる時に場所や時間帯を制限するなど差別的な取り扱いをしないようにと言われました。当然のことです。


 でも、園側からすると、延長保育時間や土曜日は人手が少ないので、受け入れが難しいという事情があります。どのお子さんも同じように受け入れたいと思っても、怪我や事故がないようにと思うと躊躇してしまうこともあると思います。


 障がいのあるお子さんには、必要な支援の程度によって加配の人を雇用するための補助金が出ます。支援1では、お子さん3人に対して一人の人件費が出るのですが、行動や特性がそれぞれ違う3人のお子さんを一人で見ることは難しいので、補助金として受け取る人件費は全然足りていないのが現実です。


 保育士が足りないので、資格がない保育補助の人でもいいようですが、資格がないうえに障がいに対する知識がなければ、ただ安全に見ているだけになってしまいます。それでいいとはとても思えないのですが、保育士が足りないのでそんな状況も起きています。


 誰もが等しく必要な養護と教育を受けられるような制度になるにはまだまだ時間がかかりそうです。障がいがあるお子さんの保護者の方は、社会の偏見や冷たい対応にとても傷ついています。人生のスタート地点である保育所が、温かくお子さんを迎え入れることができれば、もっと希望を持って前に進んでいけるでしょう。どこの保育所もそうなりたいと思っているはずです。そのために、もっと良い仕組みや制度の構築が必要だと思います。

 
 
 

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