愛着と保育

 毎月、『下村小児科病児保育便り』が郵送されてきます。毎回新しい視点や学びがあり、ありがたく拝見させて頂いています。今月は、日本保育保健協議会発行の「保育と保健ニュース」から、『愛着と保育』というタイトルの記事が紹介されていました。



 子育てに愛着関係が不可欠であるが、どうやったら子どもに愛着が芽生える子育てができるか・・・基本的な信頼関係が大切である。では、どうすれば基本的な信頼関係が築けるか?


 情緒の源流は快と不快であるとすると、保育とは不快を取り除き、快を与えることに他ならない。脳の視床という部位にあたる側坐核という生理的な報酬系を刺激するからである。快刺激が与えられると、側坐核からドーパミンが出て、脳が喜ぶ。そして、またそうして欲しいという期待が生まれる。期待は重要である。


 おしめが濡れて不快になる。それを乾いたおしめに替えて快を与えてくれる。ふと見上げるとそこに顔がある。お腹が空いて不快で泣く。おっぱいを飲ませて快を与えてくれる。そこにおしめを替えてくれた顔と同じ顔がある。こうした不快を取り除き、快を与えてくれる顔が同じであることが重要であり、そしてもう一つ重要なことは同じ基準で不快を取り除き、快を与えてくれることである。


 それが繰り返されると期待が生まれる。期待が生じたところで、同じように不快が取り除かれ、快が与えられると、期待してよかった、あるいは期待していいのだという信頼が生まれる。これが基本的信頼関係の原型となる。つまり、同じ顔の人が同じ基準で不快を取り除き、快を与えることの繰り返しで期待が生じ、期待を叶えることで裏切られることがないという基本的な信頼関係が形成される。これが愛着の原型となるのではないか?私としては今のところ、この考えで納得している。


 さらに言えば、養育する大人のぶれない基準が子どもの価値判断の軸となり、その子の為人(ひととなり)を育てる。この基準が気分次第でぶれるのが虐待の本質であると思う。すべての養育者にぶれない保育を期待したい。

                        (日本小児保健協会会長 小枝達也)



 愛着と基本的信頼関係は乳児期に育てるべき最も重要な発達課題であることは十分わかっていますが、こうして脳科学の視点から論理的に説明されると、改めて自信を持って子どもと関わることができます。


 りんごの花保育園の担当制も、同じ人が同じ基準で子どもに関わることで、担当保育者に信頼感を持ちながら、子ども達は安心して過ごすことができるようになっていきます。安心して過ごすことができると、自ら世界を広げていこうとする気持ちが育ちます。人生のスタート地点での心の育ちがその後に繋がっていることを考えると、愛着と信頼関係を育てることの重要性が再確認できました。


 下村小児科の先生、スタッフの方々、貴重な情報をいつもありがとうございます。

 

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