自己肯定感
昨日の生活発表会の後、子ども達は保護者の方にたくさん褒めてもらって、また自分が好きになったのではないかと思います。自己肯定感、自尊感情・・・最近よく聞くワードですね。日本の子どもの自己肯定感は世界的に見てとても低く、「どうせ自分なんて・・・」と思っている子ども(大人も)がとても多いそうです。
子どもの自己評価には、もちろん大人の評価が影響します。同じ行動をしても、「がんばったね」と言われるのと「期待したようにできなかったね」と言われるのでは、子どもの心に残るものは大きく違うでしょう。でも、ついついこんな言葉を言ってしまってはいないでしょうか?「◯◯くんはあんなに上手にできるのに・・・」友達と比べられるのはとても傷つきます。
どうしても比べたかったら、お子さんの以前の姿と比べてみてはどうでしょう?一年前は、ステージに立つこともできなかったのに、今年はステージで泣かずに自分で立つことができた・・・。すごい成長ですね。子どもは確実に成長します。それをしっかり認めてほしいと思います。
日本にはどこかの国のように、みんなが揃って同じことができるのを良しとする文化があります。みんなが揃うのが目的の一つになっていて、できない子は叱られたり、役割から外されたりすることもあります。器楽演奏でみんなと合わせられない子の楽器の音が出ないように細工をするなんて酷い話を聞いたこともあります。一糸乱れぬことが目的になれば、そんなことが起こってしまっても仕方ないのかもしれません。
年齢が低いほど発達に差があるのが子どもなのに、みんなと同じことをするよう求めてしまうと、子どもの尊厳を傷つけてしまうかもしれません。とは言うものの、私も幼いころからずっとそれを求められ、保育士になった後は子ども達にそれを強いていた時代があるので、時々子ども達が同じ行動をしないと、気になることがあります。そんな古い価値観が顔を出す時、気づかせてくれるのは子ども達が生き生きと自分らしく行動する姿だったり、そんな子ども達を温かく見守っている先生たちの存在です。
幼児期に何かができるようになったとしても大したことではありません。そんなことに拘らずに、一人一人の子ども達が自分を好きでいるか、人を信じたり大事に思う気持ちが育っているかを見逃さないようにしたいと思います。りんごの花保育園が大事にしていることの一つに「自分が好きで友達が大好きな子に育てる」があります。これからも、それぞれの子ども達の良さをしっかり認めたいと思います。
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