top of page

自由になる

 『発達』には、包んでいたものが解き放たれるという語源がありますが、私はそんな発達の捉え方が好きです。様々な環境の影響や刺激を受けながら、人の内包していた能力が外に向かって開かれていくようなイメージがいいと思います。


 言いかえれば、より自由になり、自分らしく自分の人生を切り開いていくことが発達するということではないかと思っています。


 随分前、龍谷大学教授の白石正久先生が、「発達とは矛盾を乗り越えること」と言われる講演を聞いた時、共感したことを思い出します。


 人間は成長する上で、様々な矛盾に出会い、悩み、苦しみます。どうにかしてその矛盾を乗り越え、自分の思う通りに生きたいと葛藤します。そして、その葛藤を乗り越えた時に、より自分らしく生きられる新しい世界が待っています。


 生まれたばかりの赤ちゃんはとても不自由です。自分で自分の身体を思う通りに動かすことができません。

少しずつ見たいと思ったものが見えるようになり、聞きたいと思った音が聞こえるようになり、見たいもの、聞きたいものがある方へ身体を動かせるようになります。葛藤を乗り越え、自分の身体を思う通りに動かせるようになった時、今までよりも自由になった喜びを感じるのでしょう。


 子どもはたくさんの矛盾を経験し、葛藤し、それを乗り越えて、少しずつ自由を獲得していきます。昨日のブログに、保育の目標は、自立にあると書きましたが、それはより自由になることでもあると思います。


 一人一人の子ども達が、自分らしい生き方ができるように、自分の人生を自分で切り開いていけるように、私たちはどんな保育をすればいいのか、私も葛藤しています。






 


コメント


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page