食べることが好きな子どもに
全国私立保育園連盟発行の保育通信3月号に、上越教育大学大学院教授の野口孝則先生が、子どもの偏食をテーマに寄稿されているコラムを読んで、これまでの子どもたちへの食事の対応は間違っていないことを確認できました。
子どもに偏食があるのは当然のことで、偏食があったとしても子どもの健康に大きな影響がない(むしろ食事を強制することによる弊害の方が大きい)こと、偏食は成長とともに改善していく(急ぐ必要がない)と書かれていました。
食事や食行動に関する最新の科学的根拠は「早食いは不健康になる」ということだそうです。この部分を読んで、私たちは忙しくて、つい早食いになってしまうので大丈夫かな~?と先生たちのことが心配になりました。
りんごの花保育園では、年齢ごとに食事時間を決めていて、なるべくその時間内に食べ終わるようになってほしいと思っていますが、だからと言って、急がせることはなく、しっかり嚙んで食べるよう伝えています。コロナウイルス感染症のために、マスクをしているので、保育士の「カミカミ、ゴックン」がなかなか伝わらないことや、子どもたちと一緒に食べることができないのがもどかしいのですが・・・。
昨日は給食会議でした。各クラスの子どもたちがよく食べるようになったことが話題に上がりました。『ぴかぴかごはん表』の効果や、給食の先生たちがいつも保育室まで子どもたちが食べている姿を見に来てくれて褒めてくれるからでしょう。
実は・・・昨年の初め、残食が多いことを給食の先生たちはとても気にしていました。一生懸命作ったものを食べてくれないのは悲しいですからね。その時、「時間がかかるかもしれないけれど、いずれ食べるようになるので見守っていてください」とお話したのですが、本当に残食が少なくなりました。みんな食べることが好きになり、食べる時間を楽しみにするようになりました。
偏食が強い子もいますが、味覚が鋭いのは小さい子どもたちの特徴です。食感や味、においなどが気になって食べれないものがあるのは仕方ないと思います。焦らずに、おいしそうに食べている友達の姿を見たり、食べ物の役割を知らせたり、お腹が空いて食べるリズムを作ったりしながら、偏食がなくなるように工夫をしたいと思います。
食べることが好きになると、リズムも整い、意欲的になります。なんでもおいしく食べられるのは幸せですね。食べることが好きになるよう、一人一人の子どもたちがその子のペースで偏食を克服していく姿を見守っていきたいと思います。
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