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給食

『給食』という言葉から、どんな思い出が浮かびますか。

 私は、小さい頃からほとんど好き嫌いがなく、何でも食べれます。それでも、小学校、中学校の給食にあまりいい思い出はありません。給食を残すのは絶対にダメな時代だったので、どんなに時間がかかってもがんばって、がんばって食べていました。

 一番強烈な思い出は、小学校5年生の時です。同級生におうちが魚屋さんの男子がいたのですが、お肉が嫌いで、お肉の日は、お昼休みが終わって5時間目になっても、大きな身体を小さく丸めて食べていました。他の子は教科書を開いて勉強しているのに、辛そうにちょっとずつ食べていた姿が今でも頭に焼きついています。

 好き嫌いがない私ですが、唯一苦手だったのが、スキムミルクです。生温かいスキムミルクを口に近付けると臭って来るので、鼻をつまんで飲んでいました。

 保育園で働くようになってからも、給食時間は嫌でした。子ども達全員を完食させなくてはいけなかったからです。「全部食べないとお外で遊べないよ。」「給食を食べないなら、おやつもいらないね。」今から考えると、脅しに近い言葉をつかうこともありました。その頃は、完食させられるのが良い保育士だったからです。

 乳幼児期は同じ年齢でも、身体や機能に大きな差があります。同じクラスだからと言って、同じ量を食べれるわけではありません。食べ物に慎重な子や、以前同じ食べ物を食べて嫌な経験をしたことなども食べる量に影響します。

 「あと一口食べたら、りんごを食べてもいいよ。」「これ一口食べたら、ごちそうさましていいよ。」・・・『あと一口』というのは、大人の自己満足ではないか?一口食べさせれば大人は納得できるが、子どもの気持ちは?

「デザートは一番最後に食べるように決めているけど、それってどうなの?」等等・・・以前勤めていた園で、先生達と喧々諤々で何度も話し合ったものです。

 保育界の重鎮である白梅短期大学教授(当時)の民秋先生(厳しい先生で恐れられていました)に、「食事はがんばって食べるものじゃない。楽しい食事、食べる意欲を育てることが大切」と言われた言葉が心に残っています。健康な身体を作るために食べることは欠かせませんが、そこに子どもの心を育てるという視点が必要ではないでしょうか。

 『りんごの花保育園』の給食が、子どもたちにとって楽しみで待ち遠しい時間となりますように。

『りんごの花保育園』開園まで54日

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