食べる
- 大瀧智子
- Apr 28, 2018
- 2 min read
少し前、ヤフーの知恵袋に、子どもが食事の時に食べこぼして、床やテーブルが汚れて困るので、何かいい方法はないですか?という質問がありました。ベストアンサーに選ばれたのは、「お風呂で食べさせて、終わったらそのまま洗い流す」でした。大真面目の答えで、それを支持した人がたくさんいたことにショックを受けました。
食事は、空腹を満たすだけのものではありません。食べ物の名前や役割を知ったり、大好きな家族と一緒に食べて心が満たされたり、食事のマナーを学ぶなど、心と身体を育てる場です。子どもがお風呂場で一人で食べさせられている場面を想像しただけでぞっとします。
人間以外の動物は、他の動物に攻撃されることを恐れ、食べる時はただ一心に食べます。人間だけが食事を楽しんで食べるのです。人間の赤ちゃんだけが、ミルクを飲む時に、休み休み飲みます。
先日、6ヶ月のHくんにミルクを飲ませました。H君は、母乳だけで育てられたので、なかなか哺乳瓶を受けつけてくれません。それでも、やっと飲んでくれるようになったところでした。初めて飲ませる私のことを、Hくんは、「この人だいじょうぶかしら?」と疑うような目で見て、なかなかミルクを飲んでくれません。にっこり笑いながら、「大丈夫だよ、おいしいよ。」と話しかけながら飲ませると、やっと飲み始めてくれました。最初は、時々休んでは私の顔を確認するので、その度に、「おいしいね。」「たくさん飲んでいいんだよ。」と言うと、だんだん力強く飲んでくれるようになりました。疑いが晴れると、今度は、時々休んではニコッと可愛い笑顔で、愛想を振りまいてくれます。こうやって、言葉はなくても信頼関係が作られていくのですね。
規則正しい生活リズムができ、身体をしっかり動かして、お腹が空くと、食事をしっかり食べてくれるようになります。0歳児、1歳児は、食べる意欲を育てるために、手づかみで食べることを大事にしています。自分で選んで自分で食べる方が人に食べさせてもらうよりずっとおいしいからです。そうかな?と思ったら、試しに人に食べさせてもらって見て下さい。きっと子どもの気持ちがわかるはずです。
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