孤高の勇者
2歳児保育はその後の保育に大きな影響を与えるので、2歳児担任の責任は重大だと言われることがあります。確かに2歳児をどう見て、いかに育てるかは関わる人の考え方によって大きく変わるだろうなと思います。
以前書いたように、2歳児は、母親と違う自分を主張し、自我が育つ時期なので、大人の指示を拒みます。初めの頃はかわいい「いや」も、だんだん強硬な「いや」になっていくので、お手上げ状態になってしまいます。
少し離れて見ると、どんな状況の時も、たくさんの大人を相手に、一人で立ち向かう2歳児は『孤高の勇者』とも言うべきカッコよさがあります。当の大人は、2歳児相手に本気になってしまいますが・・・。
2歳児クラスは、そんな『かっこいい2歳児』の集団ですから、どんなに大変かは想像がつくところです。力づくで抑えようとすれば、相当な力が働き、せっかくの『自我』の育ちを台無しにしてしまいます。
一人ひとりの『自我』を大切にしようとすれば、言葉を選び、子どもの気持ちが切り替わるのを相当な辛抱強さで待たなくてはいけません。
保育園は、プロの先生が子どもの成長・発達を願いながら子どもに向き合う場所です。子ども達が言うことを聞かなくても、必ず子ども達が成長することを信じて、毎日毎日一人ひとりの子ども達の『自我』を受け止めてほしいと思います。
『子どもを手のひらで転がす』のではなく、『子どもに振り回される』先生の方が子どもたちにとって、嬉しい先生、成長させてくれる先生だと思います。何と言っても、相手は、『孤高の勇者』なのですから。