乳幼児期に育てたい力

平成27年にスタートした子ども・子育て支援新制度は、保育の量と質の確保をねらいとしています。最近は、企業型保育所も増えてきて、待機児童数もだんだん減ってきているようです。保育が必要な子どもを受け入れる場所が多くなり、保育の量については、政策実行されているのでしょう。

 でも、保育の質はどうでしょうか。幼児教育を行う施設には、『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿』が上げられていますが、どうすればその力が育つかについて具体的な提案はなく、各施設に任されています。

 先日、前の園のキャンプに参加した時、昨年卒園したAくんの妹のBちゃんがいました。「Bちゃん、Aくん、小学校楽しいって言ってる?」と訊ねると、ニコッと笑って、「めちゃくちゃ楽しいってよ。」

 Aくんは、年中の時幼稚園から転園してきました。いつも不安そうで、話しかけてもあまり答えてくれませんでした。自分の思っていることをなかなか話せず、保育園に来るのもイヤそうでした。せっかくできた幼稚園の友達と離れたのも寂しかったでしょうし、すっかり友達関係ができているクラスに入り、疎外感を感じているようでした。そんな状態が長く続きました。担任の先生は、Aくんに、「〇〇したいと思うけど、どうしたらいいと思う?」といつも声を掛けてAくんの意見を引きだしていました。

 運動会、遠足、生活発表会・・・何がしたいか、子ども達と話し合って決めるのが常でしたが、だんだんAくんも自分の意見を言えるようになりました。年長組になると、「Aがする!」と自分で決めて行動することが増えました。卒園の時には、すっかり自信をつけ、堂々と卒園証書を受け取ってくれました。

 きっと大丈夫・・・と思いながら、入園した時のAくんの姿を思いだし、気になっていました。

 「めちゃくちゃ楽しい・・・」やっぱりと思いながらホッとしました。子どもの主体性を大切にする保育は、自分への自信を高めます。自分で考えて行動することが習慣になっているので、新しい場所に行っても大丈夫なんですね。もちろん、Aくんのお母さんの温かい愛情が一番だったと思います。

 乳幼児期に育てる力・・・・一人ひとりが、「自分を大丈夫」と思えること、そう思えるだけの経験、そのための大人の関わりが大切なのではないでしょうか。

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