幼児教育無償化と消費増税

ゴールデンウィーク明けの久しぶりの授業でした。

 10月から幼児教育の無償化が始まるという話をすると、一人の学生に、「幼児教育が無償化になったら、保育士の給料は上がるんですか?」と質問されました。

 「今回の幼児教育無償化には、保育士の処遇改善は入っていないので、それはないと思います。」と答えると、「えー!そしたら、保育士がさらに大変になるだけじゃないですか!」と怒っていました。

 幼児教育の無償化の前に、待機児童解消と保育士の処遇改善を・・・と願っていましたが、それよりも先に幼児教育の無償化が始まります。

 アメリカの経済学者ヘックマンの50年近くに亘る縦断実験の結果、幼児教育に投資する方が、効果が高いというデータが注目を浴び、幼児教育の重要性が認識されるようになりました。幼児教育に携わってきた一人として(僭越ですが)、それは正しいと思いますし、データで証明されたことは喜ぶべきことだと思います。

 でも、この実験には2つのポイントがあります。1つは質の高い幼児教育を受けさせること、そしてもう一つは、週に1回教師が家庭訪問を行い、保護者とともに子どもについて話し合いの時間を持ったことです。

 幼児教育を無償化すれば、全ての子どもが質の高い幼児教育を受けられるわけではありません。反対に、無償化によって、保育施設が乱立し、簡単に保育士資格を取得できるようになって、保育の質が低下するかもしれないのです。

 消費増税が10%に上がる同じ時期に、幼児教育が無償化になります。消費税を上げる名目は立つのでしょうが、誰が保育の質について考えてくれるのでしょうか。

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