手を洗いたくない
先日、M先生が困った顔で、「2歳児のAくんが、『手を洗わない』って言うんですけど、無理にでも手を洗わせた方がいいですよね?」と言われました。 Aくんは、今年度入園したお子さんです。他の先生からも、Aくんが手を洗うのを嫌がると聞いていたので、何か理由があるんだろうなと思いました。 食事前に手を洗わないと、衛生的に心配ですし、感染症にかかってしまうかもしれません。基本的生活習慣を身につけるのがこの年齢の課題でもあるので、「嫌がっても、どうにか手を洗わせてください。」と言いました。
今朝、りんご組のY先生から、「Rくん(3歳児)が『手を洗わない』って言うので、いろいろ・・・バイキンがお口に入るとお腹が痛くなるから手を洗おうなど、話しているんですが、なかなか難しくて・・・園長先生だったらどうしますか?」と訊ねられました。
「Rくんに手を洗いたくない理由を聞いてみてください。洗いたくない理由があるかもしれないので。年上のお姉ちゃんたちに、『一緒に手を洗おう』って誘ってもらうのもいいかもしれませんよ。」と話しました。
同じ時期に、手を洗いたくないという子が2人もいるのは不思議です。でも、やっぱりその子なりの理由があるのではと思いました。
私たちは、手を洗う理由がわかっているので、進んで手を洗おうとし、手を洗わないと気持ちが悪いと思います。
子どもはうまく自分の気持ちを話せませんが、水の感触がいや、手を洗った時に袖口が濡れて気持ち悪かった、目に水が入って痛かった、怪我をした傷口に水があたって痛かった・・・という思いをしたことがあるのかもしれません。
2人とも今年度入園したお子さんなので、警戒心や緊張感もあるのでしょう。本当に心からこの場所が安心できるところになれば、手を洗えるようになるのかもしれません。
手を洗わないのは困ったことですが、困ったことに一生懸命向き合ってくれる先生達がいるのは、心強いことです。