医学の進歩と人の心
3歳児の女の子を育てている娘から聞いた話です。
風邪を引いたので、病院に連れて行ったそうです。診察を待っていると、前で診察を受けている子のお母さんが病院の先生に話している声が聞こえてきたそうです。
少し前、自分の子に発疹が出ていた時に、赤ちゃんがいる友達と遊んだそうですが、7ヶ月になる赤ちゃんが水ぼうそうに罹ってしまい、そのお母さんが怒ってパニックになっているので、自分の子が予防接種を受けている証明書を出してほしいという話だったそうです。
5年前、水ぼうそうが任意接種から定期接種になってから、水ぼうそうにかかる子は急激に減少しました。定期接種になる前は、すれ違っただけでもうつると言われるくらい感染力が強かったので、保育園でも1人水ぼうそうになると、クラス全員がかかるほどの勢いでした。
みんながそんな病気だと思っていたので、誰かが水ぼうそうになったと聞くと、「うちの子もきっとかかるよね。入学前にかかってよかった」と言われることも多かったです。
最近は、インフルエンザやアデノウィルスなどにかかると、「どこでもらってきたんだろう?誰からうつったんだろう?」と発症源を探す風潮になっています。誰もが病気になりたくてなったわけではないのに、いつからこんなに思うようになってしまったんでしょう。
娘が言っていました。「私が小さい頃は、〇〇ちゃんがおたふくかぜになったと聞くと、『入学する前におたふくかぜになった方がいいから、一緒に遊ばせよう。』とか言ってたのにね。」
医学の進歩は素晴らしいですが、水ぼうそうでパニックになったり、発症源を探したりするようになった現代社会は、子どもにとって居心地がよい時代なのでしょうか?