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夜間保育園

2週間前の日曜日、息子から渡された本のタイトルは、『真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園』(三宅玲子 著)でした。最近は、すぐに目が痛くなってしまうので本を読む時間が短くなっていたのですが、読んでいくうちに引き込まれました。

 本の帯に、「夜、親のいない子どもは待機児童にさえなれない」と書かれた言葉が重くのしかかってきます。夜の仕事をしている母親や父親は確実にいるのに、その子どもがどこでどんな時間を過ごしているのか知ろうともしていませんでした。

 この本には、福岡市のキャナルシティのすぐそばにあるどろんこ保育園で働く先生たちの姿が実名で書かれています。以前NHKで、どろんこ保育園の番組を見たことを思い出しました。

 どろんこ保育園の天久理事長は大学生の時に保育士の奥様と一緒に、夜、誰も面倒を見る人がいない子ども達を預かったのがきっかけで、夜間保育園を始められたそうです。

 現在も、認可の夜間保育園は、全国で81園しかなく、全く増えていないのに、ベビーホテルは届け出がされているだけでこの40年間で3倍に増え、1749園、約3万2500人の子ども達が預けられていて、実際はこの数倍に上ると言われています。

 ベビーホテルの実態はわかりませんが、保育士になりたての頃、この本に書かれている劣悪なベビーホテルの映像を見たことを鮮明に覚えています。バラックのようなひどい環境の中で、買ってきたお弁当をごちゃまぜにして、子ども達に食べさせている映像を見て、日本で起きていることとは思えませんでした。「ベビーホテルから子どもを取り返さなくてはいけない」と言われる天久理事長の強い思いはあの映像を見れば誰もが感じることだと思います。

 昨年、福岡市の園長研修で、天久理事長のお話を聞く機会がありましたが、夜間保育園は、遠い世界のように思っていました。でも、この本を読んで、まだまだやれることがある・・・そう思いました。誰かの力になりたい、なれるかもしれないと思うと、力が湧いてきます。

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