多様性の社会へ

 農林水産省の元事務次官が、引きこもり状態だった44歳の息子を殺害して、6年の実刑判決が確定しました。殺人で6年の実刑は、情状酌量される要素がたくさんあったのだろうと推察されます。今後、この事件を通じて、子育てや発達障がい、学校制度の在り方などが問われると思います。

 40歳から64歳までの引きこもりは、61万人、7割が男性で7年以上引きこもった状態の人は半数以上に上るそうです。15歳から39歳の引きこもりは、54万人。合わせると115万人以上の人が引きこもった状態だという調査結果に驚きました。

 自分の子どもを手にかけるまでには、想像を絶するような日々や出来事があったのだと思います。引きこもっている人、周りにいる家族など、どれだけたくさん苦しんでいる人がいるのでしょう。国として対策が遅れたこと、そして今も十分な対策が行われていないことにもどかしさを感じます。

 今日、『不登校新聞』を読む機会がありました。不登校本人の苦しみや、周りの家族の苦しみについて綴られている記事を見て、不登校、引きこもりは日本社会のシステムが生み出したものだと思いました。決められたシステムに乗ることを良しとし、システムに乗れない人たちを排除したり、差別した結果、居場所がない状態にしてしまったのではないかと思います。

 一人一人違ってみんないい・・・こんな言葉が聞かれるようになりましたが、まだまだみんな同じであることや、普通(?)であることを強制されてはいないでしょうか?

 そんな社会の在り方に乗れない人達がたくさんいるのです。もちろん、それだけが問題ではないことはよくわかっています。複雑な条件や環境が絡み合っていることもあるでしょう。でも、多様性を認める社会が現実化すれば、確実に引きこもりや不登校の人は減ると思います。

 誰もが自分の価値観で判断します。その価値観は、家庭や学校、社会でつくられたものです。価値観を変えることは難しく、時間がかかるでしょう。人生の最初に関わる保育園だからこそ、一人一人を大切にする、一人一人違っていいと思えるような価値観を育んでいきたいと思っています。

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