ライナスの毛布
朝、門の前で子ども達を出迎えていると、何人かの子ども達が手に何かを持って登園して来ます。それは、小さなぬいぐるみだったり、ミニカーだったり、フワフワの毛糸がついているキーホルダーだったりします。
保育室に入ると、すぐに自分のリュックの中にしまえる子もいますが、しばらく持ったままの子もいます。お母さんと離れる不安や寂しさを埋めようとしているかのようです。
昨年、年少組と1歳児の女の子は、長い間毛布を手放せませんでした。お母さんと離れる時にぎゅっと握りしめ、気持ちが落ち着くと、自分のロッカーに片づけられることもありました。
抱きしめたり、握り締めたりすることで、寂しい気持ち、不安な気持ちを何とか埋めようとしているのでしょう。スヌーピーに出てくるライナスが毛布を手放せないように・・・。
昨年の3月頃、お引っ越しで転園することになった毛布が手放せない1歳児の女の子のお母さんが、「今度の園は、お家から何も持たせないでくださいって言われてるんです。大丈夫でしょうか?」と、とても心配されていました。
お家から玩具などを持って来ると、失くしたり、他の子が触ったりするので、持って来るのを禁止にしている園もあるのでしょうが、可哀そうな気がします。
誰にも(大人にも)、心の拠りどころになるものがあります。モノだったり、思い出だったり、家族だったり・・・子どもは心の中に拠りどころになるものをまだうまくイメージできないので、具体的なモノで安心するのでしょう。
ライナスの毛布・・・自分で手放せるまで、手放せるように心を満たしてあげたいと思います。