これが私たちの保育です
昨日の夕方、園庭で4歳児のAくんと一緒に砂遊びを楽しみました。
Aくんは、何度もハンバーグやバナナ、パンの砂遊びの道具を使って型抜きをして見せてくれました。型をひっくり返して、砂がきれいな形になると、人なつこい笑顔で笑いかけてくれます。「上手にできたね。」「おいしそうだね。」と声を掛けると、「うん、Aくんじょうずでしょ。」とまたにっこり。
2歳児のMちゃんが、真似をしながら一緒に作っていましたが、そのうち、砂場の周りのブロックの上をバランスを取りながら歩き、Aくんも、その後ろについて歩き出しました。所々に砂が乗っているので、それを飛び越さなくてはいけません。
2歳児のMちゃんは、バランスを取りながら歩いていましたが、砂の前に来ると、「M、できん。」と困った顔。それを見ていたAくんは、「こうすればいいよ。」と言って、砂を半分払い落としました。
Mちゃんは、飛び越そうとしましたが、やっぱり怖いようで、立ち尽くしています。それを見たAくんは、その砂を全部払い落とし、「こうすればいいよ。」とニッコリ。
しばらくAくんとMちゃんは砂場の周りのブロックの上を上手に走り回っていました。Aくんの優しさとにっこり笑う表情を見ながら、少し前のAくんのことを思い出していました。
去年、お隣のおうちに夏のご挨拶に行ったとき、「いつも騒がしくてご迷惑をおかけしています。」と言うと、「いや、大丈夫ですよ。でも、一日7,8回大声で泣いている声が聞こえてきます。きっと同じ子ですね。」と言われました。
Aくんです。お友達とトラブルになったり、自分の思いと違うことが起きると、大きな声で泣きます。それは、泣くというよりも、怒っているような泣き方です。自分の思いをわかってもらえない、心の叫びのような泣き方をすることが一日に何度もありました。
「もう少しすれば、きっと泣かなくなるので、それまで待ってもらってもいいですか?」とお隣の方にお願いしました。Aくんの成長は確信のようなものです。私たちの関わり方できっとAくんは変わると信じていました。
1年経った今、怒りのような泣き方は殆どなくなりました。お友達が大好きなAくんは、一生懸命お兄ちゃん達の仲間に入って遊んだり、お友達と虫を探して走り回っています。
Aくんの成長の一番大きな力は、もちろんおうちの方です。そして、友達の力・・・これが私たちの保育です。