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歩きながら考える

子どもは頻繁に失敗をします。それもわざとのように同じ失敗を繰り返します。「落とすから気をつけて」と注意しても、テーブルの奥にあるものを取ろうとして、手前にあるものを落としてしまいます。ふたつのことに注意を向けるのが難しいのです。

 「走らないで」と言っても、面白いものを見つけると、走ってしまいます。注意して行動するようになるのは何歳頃でしょうか。5歳を過ぎると、ちょっと立ち止まって考えるようになってきますが、それにも個人差があります。

 何度も同じ失敗を繰り返す子どもを相手に、大人は叱れば注意するようになると思ってしまいますが、周りの状況を見る力がつくまでは、いくら叱っても効果はありません。叱られることで委縮したり、自分を否定する気持ちになるので、叱ることは逆効果かもしれません。

 私の孫は4歳になりますが、頻繁に同じ失敗をして、「また!?」「何度言えばいいの?」「この前も同じことをしたでしょう!」と叱られています。母親の気持ちになれば、叱りたくなるのもわかりますが、叱ったからと言って反省して改善するわけでもないのに・・・と心の中で思っています。

 特に公共の場では行儀良くしてほしいと思うのは親の願いですね。周りの目が気になり、子どもの行動に過剰に反応してしまいます。

 一緒に出かけた時、ホテルの中で走るたびに、娘に「こんなところで走ったらダメ!みんなに迷惑かけるでしょ!」と何度も何度も叱られていました。

 何度も叱られた直後、おもしろそうなものを見つけて走り出そうとしたのですが、「ホテルの中では走ったらダメ。」と独り言をつぶやき、走るのを我慢しました。我慢することができるようになったのかな?と思ったのですが、また時間が経つと走っていました。自分の行動を振り返ったり、周りを見て行動を変えようとするにはまだ時間がかかりそうです。

 でも、それが子どもです。わざとではなく、今この瞬間が子どもにとっては全てなのですね。子どもがその場にあった行動が取れるようになるまで、大人も社会ももっと気長に待てるといいですね。

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