二次障害
- 智子 大瀧
- May 25
- 2 min read
二次障害という言葉を聞いたことがありますか?もともと持っている発達特性に、適切なかかわりをしてもらえないことで引き起こされる第二の障害ともいえるものです。幼児期に療育を受ける意味は、発達の特性を周りにいる人が理解し、その子に合った関りをすることで、自信を持って成長できることだと思います。子ども本人に与える良い影響はもちろん、周りの人がその子を理解できることが大きなメリットだと思います。
いつも引用させてもらっている信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長の本田秀夫先生は、療育を受けることで、親の意識が変わるメリットが大きいと言われます。他の子と同じように育てたいと子どもに無理な要求をしてしま親にストップをかけることができることが療育の意義だと仰っていました。
保護者の方が他の子と同じようにと願う気持ちはよくわかりますが、認識や感覚、理解に特性があるお子さんにそれを求めてしまうと、子どもはできない自分を責めながら日々過ごすことになるでしょう。
特に衝動性が高い、多動なお子さんは目につきやすいので、叱られることがとても多くなってしまいます。家庭だけでなく、保育園・幼稚園でも注意を受けたり、叱られ続けるお子さんの気持ちを考えると苦しいですね。発達障がいは脳の機能の違いからその特性が表れると言われています。つまり、自分ではそうしようと思っていなくても、つい、無意識に身体が動いてしまうのでしょう。悪気や意識的にしているわけではないのに、いつも注意されたり、叱られて続けていると自分はダメな子だと思ってしまいますね。
先日、いろいろ勉強している理学療法士の先生から、「肯定的な言葉が8割、否定的な言葉が2割になると、脳が動き出す」という話を聞きました。自分がかけている言葉はどんな割合になっているんだろう?と振り返りました。衝動的で多動な子は、一日何人もの人から否定的な言葉を掛けられ続けているのかもしれません。子どものよくない行動に注意をしないのは難しいですが、注意しても叱っても変わらないのであれば、これまでの関わりはうまくいっていないことになりますね。
幼児期は心の基礎を作る大事な時期です。自分はみんなにどのように思われているかに気づく時期でもあります。そう遠くない未来に二次障害を起こさないように、今目の前にいる子ども達とのかかわり方を考えていきたいですね。
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