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絵本の力

 今日、絵本が23冊も届きました。友人で法人の評議員をしてくれているKさんからの寄付です。昨年末、寄付をしたいと言ってくれたKさんに、厚かましくも絵本の寄付をお願いしたら快諾してくれました。


 先生たちがとても喜んで、時間をかけて絵本を選びました。送られてきた絵本は、子どもたちが好きだったり、先生たちの願いが込められたものでした。りんごぐみ(3・4・5歳児)の帰りの会の時に、絵本をプレゼントしてもらったことを伝えて、Kさんから送られてきたハガキを読むと、みんなワクワクした顔になりました。絵本の表紙を見ながら何冊あるのか数えたのですが、初めて見る絵本もあって、すぐにでも読んでほしい様子でした。


 M先生が、その中から『ひとりぼっちのモンスター』を読んでくれました。絵本のプレゼントにざわついた子どもたちがあっという間に集中してお話を聞いていました。図書委員の先生たちに管理をお任せしたので、もう少ししたら貸出絵本コーナーに並ぶと思います。お楽しみに。


 昨夜、ハートネットTVで、『塀の外のわが子を思って絵本を読み合う女性受刑者たち』という番組を見ました。山口県にある日本初の官民協働の刑務所『美祢社会復帰促進センター』では、2010年から、子どもを持つ女性受刑者が、塀の外にいるわが子に絵本を読み、録音したものを届けるというプログラムを行っているそうです。


 このプログラムはわが子に届けたい絵本を1冊選ぶことから始まります。あまり絵本に触れたことがない受刑者が悩みながら『この1冊』を選び、読み聞かせの練習を重ねます。最初は抑揚もなく読んでいた女性が、だんだん気持ちを込めて読むことができるようになっていく姿は胸を打つものがありました。


 女性受刑者たちは、絵本を読みながら、自分と向き合っていきます。こんなはずじゃなかった、こんな母親で申し訳ないという気持ちが絵本を読むことでさらに募っていくようです。女性受刑者は、不遇な子ども時代を過ごした人が多く、絵本を読んでもらったり、いつも絵本がそばにあるという生活を送れなかったことが想像できました。


 罪を犯した人は罰を与えられることが当然とされてきましたが、厳しい罰は人の心をますます荒ませ、再犯に向かうことも多いことから、刑務所の在り方も見直されるようになっているそうです。受刑者というと怖い感じがしますが、モザイクがかかっているものの、私たちと変わりない普通の女性でした。不遇な育ち方をした人が犯罪に手を染めてしまった時、再犯を防ぐ道は厳しい刑罰ではないように思いました。そして、改めて絵本が持つ力を再確認しました。


 これまで『絵本のプログラム』を受けた女性受刑者73人のうち57人が再犯

にいたらずに更生しているそうです。人の心の根本に訴える『絵本プログラム』のようなことが広がって、安心して暮らせる社会になるよう願います。



 

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