絵本の話
学生に絵本の話をする時、いつも、子どもの頃に読んでもらった一番好きな絵本は何かを尋ねます。絵本のタイトルがすぐに出てくる学生がたくさんいるのが嬉しいです。「それは、幼い頃、誰かに愛された、大事にされた一つの証だよ。」と話します。「え~っ?」と言う学生もいますが・・・。
絵本のことを考える時、いつも2人の子ども達のことを思い出します。1人は、1年間、毎日モーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ」を読み続けた2歳児の男の子のことです。「絶対、暗記しているはずなのに、必ず読まされるんですよ。」とお母さんが仰っていました。365日同じ絵本を読み続けたお母さんも素敵です。
「かいじゅうたちのいるところ」は、お母さんに叱られて、夜ご飯抜きで自分の部屋に入れられた男の子マックスが冒険の旅に出て、かいじゅうたちの王様になり、楽しく暮らすのですが、ある日お母さんが恋しくなります。お母さんに会いたくて、おうちに帰ると、おいしいごはんが準備してあったというお話です。依存と自立を繰り返しながら成長するのが2歳児なので、主人公のマックスと自分の姿が重なったのでしょうね。
もう1人は7ヶ月で入園し、1歳児の時から卒園するまで毎日園の絵本を1冊借り続けた女の子のことです。初めはお母さんに読んでもらい、それから自分でページをめくるようになり、卒園の頃にはすらすらと自分で読んでいた姿が心に残っています。
今では、高校生と、小学6年生になっていると思います。どんなお兄さん、お姉さんになっているのでしょうか?会いたいです。
私の娘と息子が小さい頃好きだった絵本は、「ぜんべいじいさんのいちご」と「みどりのはしご」です。それがわかったのは割と最近のことで、絵本の話でとても盛り上がっていました。忙しい母親で、関わる時間も少なく、寂しい思いをさせてしまいましたが、絵本を読むことだけでもできてよかったと心から思いました。
今では2冊とも廃版になっているのですが、私も大好きな絵本でした。やはり、気持ちは通じるのですね。毎日でなくても、文字が読めるようになったとしても、お子さんに絵本を読んであげてください。おうちの方と一緒に読む絵本は特別ですから。
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