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脳の発達

 娘が1歳9ヶ月の男の子を連れて帰省して3週間が経とうとしています。帰って来た時は、単語がほんの少し出る程度で、でも自分の意志はあるので、通じないと、すぐ怒ったように別の部屋に逃げ込んでいました。


 帰省後何日か過ぎて、椅子に座ったまま「チュ」「チュ」「チュ」と何度も必死に訴えるので、娘が指差す方へ連れて行くと、冷蔵庫の前で止まりました。「アイス?」と娘が言うと、満面の笑顔でうなづき、わかってもらえて嬉しい!と言わんばかりでした。


 それから、二語分が出始め、こちらが言っていることはなんとなくわかるようになってきました。知っている言葉を会話の中から一生懸命探しだし、自分なりに想像して理解しようとしているように見えます。人間の発達は早いですね。今では、なんとなくいつもみんなの会話の中に入っています。「うん」「いや」の意思がはっきりして、対応に手こずるようにもなりました。


 発達はいいことばかりではありません。夜泣きもひどくなり、泣き叫ぶ夜もあります。どうやっても泣き止まないこともあって、娘も疲れ果てています。以前、慶應義塾大学医学部小児科医の渡辺久子先生が書かれたコラムを思い出しました。


 子どもの頭囲が急に増大するとき、脳も急に発達し、それに呼応して感情や行動の調節は悪くなる。特に胎児期、乳幼児期、思春期は脳がぐんと大きくなり、「キレ」やすさが高まる時である。


 子ども自身にとって、この時期は心身のバランスの崩れやすい時でもある。育児は子どもの脳の爆発的な発達期に特に難しくなる。


 生後20か月までに、どの赤ちゃんも「退行期」(赤ちゃん返り)と呼ばれる母親泣かせのぐずり期が10回ある。飛躍的発達の前兆で避けることはできない。1歳までの退行期はなんとか子どもの気を紛らわせてしのげるが、1歳から1歳半にかけてはごまかしがきかなくなる。母子は衝突し、育児ノイローゼに繋がりやすい。「キレ」やすさや「赤ちゃん返り」は発達上意味がある。うまく育っていないと勘違いしてはならない



 脳の発達が著しい時、子どもはどうしようもないストレスを抱えてしまうのかもしれません。それを癇癪や夜泣き、ダダコネ、ぐずりなどで表現するしかないのでしょう。苦しいのは子どもも同じです。でも、必ずその苦しみから抜け出せる日が来ます。その日まで夜泣きやぐずり、癇癪に付き合ってほしいと思います。

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