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ゴール

 少し前に見たオンライン研修で、アメリカのある小学校はクラス名に成人になった年の数字を入れるということを聞きました。子どもも大人も成人になる時を目指して教育を受けている、指導しているという意識を持つためだと思います。


 保育園・幼稚園にいると、「就学までに」を強く意識してしまいます。就学までにひらがなが読める、自分の名前が書ける、立って靴を履ける、時計がよめる、鉛筆を正しく持つ・・・こんな課題が頭に浮かんで就学前に焦ってしまいます。


 以前のブログで書いたことがありますが、「就学までにできるようになっておかなくてはいけないこと」を並べられると、子どもだけではなく、保護者の方もできないと入学できないのではないか、入学した後困るのではないかと、焦ってしまいますね。


 でも、就学までにできなくても大丈夫なことは、先日小学校参観に行って実感しました。3月生まれと4月生まれでは1年の開きがある上に、多様な子ども達がいるのですから、それぞれのペースでできるようになっていきます。焦ることはありません。それよりも、自分と他人への信頼感を育てることの方が何倍も大事なのではないでしょうか?


 アメリカで成人になった年のクラス名をつけるというのは、全員一斉に何かを身につけさせるのではなく、一人一人の個性や多様性を認めながら、成人になった時の姿を見通して一人一人に適切な教育をしていくということだと思います。


 いつも保育園の中にいると、「まだ〇〇ができない」「何度言っても同じことをしてしまう」「小学校に行ったら困るんじゃないか」と視野が狭くなってしまうことがあります。就学はゴールではなく、通過点です。通過点でできなくても、子ども自身がやりたい、やらなくてはと思った時に行動できるよう、自分と他人への信頼感の基礎を育んでいきたいと思っています。

 
 
 

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