母親
- 智子 大瀧
- Jan 28, 2024
- 2 min read
先週、医療的ケアが必要なお子さんのお母さんが写真家になって自分を取り戻したというニュースを見ました。医療的ケアが必要なお子さんに付き添って、小学校にずっと通われ、6時間もの間、教室の隅で、先生からは「気配を消してください」と言われて過ごしたそうです。
先生は、お子さんがお母さんの気配を感じて不安定になったりするのを避けたくてそんなこと言われたのでしょうが、そう言われたお母さんは自分を「透明人間」のように思ったそうです。母親としての役目を果たさなくてはいけない、でも自分の人生は・・・?といろいろ思い悩み、適応障害を起こしてしまったという話を聞いて心が痛みました。
40年位前、自閉症はお母さんの育て方のせいだと言われて、その当時のお母さんは辛い思いをしました。研修でも「冷蔵庫マザー」と言われ、母親が冷たいから子どもが自閉症になったと当然のように言われていました。
現在では、脳の器質的な問題だということが脳科学で証明されていますが、詳細は明らかになっていません。人間にはまだまだ科学的にわかっていないことがたくさんあります。でも、その当時の自閉症のお子さんを持つお母さんは相当苦しまれたと思います。
いつの時代も、子どもがちゃんと(?)育っていないのは母親のせいだと言われます。母親なんだから子どもの養育に全責任を持つのは当然・・・この風潮が変わらない限り、少子化に歯止めはかからないでしょう。
医療的ケアが必要なお子さんをもつお母さんは、趣味で始めた写真を本格的に勉強して、写真展まで開けるようになり、自分を取り戻したそうです。母親だって一人の人間として、自分らしく生きていいですよね?
お子さんのハンディが大きければ大きいほど、子どもから離れることが許されません。母子通園しないと受け入れてもらえない幼稚園もまだまだたくさんあるのではないでしょうか?ハンディを持ったお子さんも、一人の人間として母親から離れて活動する時間があっていいはずです。お母さんだって自分らしく自分のために過ごす時間があっていいはずです。
「子ども誰でも通園制度(仮)」の議論の中でも、ハンディがあるお子さんも通う権利があると言う意見が出ていました。誰でもなら当然です。全てのお子さんのため、お母さんのための制度になることが必要です。
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