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発達

発達を説明するのに、『包み込まれたものが外に向かって開いていくこと』という言葉があって、私はこの表現が大好きです。子どもの可能性が開き、だんだん自由になるようなイメージが湧くからです。生まれたばかりの赤ちゃんは、思うように動くことができませんが、少しずつ手足を自由に動かせるようになり、おすわりして、はいはいができて、歩けるようになる・・・だんだん自由になっていく感じがぴったりきます。

 子どもの発達は、大人にとって歓迎できるものばかりではありません。たとえば、赤ちゃんがえり、駄々こね、うそをつくなど・・・。これも、立派な発達です。お母さんの気を引きたくて、赤ちゃんの真似をする、ダメだとわかっていても自分の思いを通す、自分を正当化するために本当ではないことを言う・・・知的・精神的発達がなせることです。これまでと違う姿に驚いたり、怒ったりしたくなる気持ちはよくわかりますが、発達の一過程です。これも成長の証だとゆったりと構えていると、小さな嵐はいつの間にか通り過ぎていきます。

 発達に遅れがあるお子さんを担任した時に、何度言ってもわかってくれなくて途方に暮れたことがあります。療育の先生に、「発達が止まっているように見える時の関わりが一番大事なんですよ。何も変わらないように見えて、内面で少しずつ変化が起きている。人は、発達する時には、まずしゃがんで力を溜めて、それから大きくジャンプするものです。」と言われて、納得しました。これは、どの子にも言えることだと思います。子どもは聞いていないように見えて、ちゃんと聞いていて、考えています。どうせ聞いていないからと、諦めてしまうのはもったいないと思います。

 子ども達が卒園していく時、人の成長・発達が一番著しい時間を一緒に過ごせたことを誇らしく思います。あまりの成長ぶりに、「私がオムツを替えたんだけどな」「あんなに怒って困らせたこと忘れちゃった?」とちょっとからかいたくもなります。

 もうすぐ卒園式。きっとあの子たちも、あんなに泣いていた日々を忘れて、胸を張って卒園していくのでしょう。

『りんごの花保育園』開園まで36日

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