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これからの学校教育

 先日、M先生が、「りんごの花保育園の保育の背中を押してくれるような番組でした」とNHKの『すくすく子育て』をラインで送ってくれました。『小学校前にできなきゃいけない!?』がタイトルで、小学校入学前の保護者の方の心配や悩みに、玉川大学教授の大豆生田啓友先生と国学院大学准教授の吉永安里先生がアドバイスをされるという内容でした。


 2020年度から小学校の学習指導要領が変わり、これまでの授業の在り方が大きく変化しているのはご存じでしょうか。以前から、「小1プロブレム」が問題になり、保幼小の連携が強く求められていました。5年ほど前、つくば市で開催された幼児教育指導者養成研修に参加しましたが、その時最も注目されていたのはアプローチプログラムとスタートプログラムでした。


 アプローチプログラムは、保育園・幼稚園のカリキュラムを小学校に繋げるのが目的で、スタートプログラムは、小学校教育が保育園・幼稚園教育に近づくことを目的としたカリキュラムです。それぞれが互いの保育・教育内容を理解し、小学校と保育園・幼稚園の垣根を取り除くために研究が進められていました。


 2020年度から小学1年生を対象に新しい学び方が始まっているのは、子ども達のためにも、保護者の方の安心のためにも嬉しいニュースです。小学校に入学した途端、椅子に座って45分間話を聞けるのか心配される保護者の方も多いと思いますが、スタートプログラムは、保育園・幼稚園の時と同じように遊びから始まり、子ども達が興味を持ったことを徐々に教科学習に繋げていきます。


 4月・5月の時間割には、新しい友達と仲良くなって、安心して自分が思ったことや気づいたことが言えるようになる『なかよしタイム』があり、次に、友達と一緒に考えて、具体的な体験を通して学ぶ意欲を育て、教科の学習に繋げていく『ワクワクタイム』の時間があります。その後、『ぐんぐんタイム』で、子ども達の興味や関心に合わせながら、教科の学習に入っていきます。


 番組の中では、2009年から始まっている横浜市の小学校の取り組みが紹介されていました。


 子ども達がそれぞれ興味があることを見つけ、学校探検に出かけます。校長室に行ったグループの子ども達は、「プールを工事した人に会いたい」と言います。理由を尋ねると、「プールの深さを知りたいから」「それなら、工事の人じゃなくても、知る方法があるんじゃない?」と校長先生が問いかけると、一人の子が、「大きな定規で測ればいい」とひらめきます。「プールに落ちないように深さを測るにはどうすればいい?」「腹這いになって測ればいい」と子ども達が答え、実際に腹這いになってプールの深さを調べたそうです。


 これから予測不可能な社会を生き抜くためには、知識の蓄積だけではなく、自分で考え、友達と話し合い、自分で納得できる答えを見つけようとする力をつけることが大事だとコメンテーターの先生方も話されていました。


 りんごの花保育園で、今年度取りくもうとしているプロジェクト保育は、まさに自分達で興味があるものを見つけ、自分で考えたり、友達と話し合ったりして、より深く知ろうとする(学びに向かう)気持ちを育てるために行います。


 番組の中でも、「できる」ことが大切なのではなく、「考えることに価値がある」と子ども自身が思うことが大事だと言われていました。小学校入学前は、大人の方が心配して、気持ちが焦ってしまいますが、小学校はわからないことがわかるところ、楽しい発見がたくさんあるところだと子ども達が期待を持てるようにしたいですね。


 小学校教育は大きな転換期を迎えています。今後の課題は、小学校の先生たちの意識を変えられるか?ではないでしょうか。

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