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感覚

 感覚って一人一人違いますね。気温も、人によっては寒く感じたり、ちょうどよかったり、暑いと思ったり・・・。先週の研修ではお世話係だったので、会場が寒くないか、暑くないかとても気になりました。


 味覚も人によって全く違います。同じものを食べても甘いと感じる人もいれば、甘すぎると感じたり、甘さが足りないと感じたり・・・。人間はなかなか複雑にできています。


 全国私立保育園の月刊誌のコラムで、乳幼児教育実践研究家の井桁容子先生が、子どもが食事中にエプロンをつけることについて書かれていました。エプロンをつけるのはなぜでしょうか?誰のためでしょうか?そうです。大人のためです。洋服が汚れるから、着替えさせるのが大変だから、子どもにエプロンをつけさせて食事をします。子どもはエプロンをつけたいなんて思ったこともないはずです。


 特に、食事のエプロンは防水加工がされているので、つけたときガサガサして気持ちがいいとは言えないでしょう。食べこぼしを受け止めるポケットがついているエプロンも子どもにとっては迷惑なことかもしれません。洗ってすぐに使えるウレタンのエプロンは子どもにとって最悪かも!?


 井桁先生は、こどもはエプロンをつけて食べるのが当たり前と考えている大人に対して、もっと細やかで丁寧な対応が必要なのでは?と書かれていました。赤ちゃんは、汚れたら困るような洋服を着たいわけでもないのに、それを汚さないためにエプロンをつけさせられるなんて理不尽だと思っているかもしれませんね。


 先日のブログに書きましたが、久しぶりに赤ちゃんに給食を食べさせる前に、Tちゃんにエプロンをつけようとすると、とても嫌がっていました。他の先生が、「少し気をそらせるとつけてくれますよ。」と教えてくれたので、「ほら、おいしそうだよ。」とお皿に目を向けさせながらエプロンをつけるとつけてくれました。


 りんごの花保育園のエプロンは、園で準備しています。自分でつけられるように、タオルを二つ折りにして真ん中にゴムを通していて、それに頭を入れてつけます。タオルなので肌触りは悪くないと思うのですが、服まで浸透しないように厚めのタオルを使っているので、感覚的に気になる子もいるかもしれません。


 私たち大人のためにつけてもらっているエプロンですが、1歳児クラスになると、おいしい給食が食べられるならと、手を洗ったら、自分でエプロンが入っている引き出しから取り出してつけて座って待っていてくれます。


 2歳児になり、食べこぼしがなくなってくると、エプロンをしないで食事をするようになり、それが誇らしいようです。人間には一人一人違う感覚があり、ごはんを食べるときには食べこぼしをしなくなるようになるまでエプロンをつけないといけないという子どもにとっては迷惑なお約束もあります。人間として生きていくのもなかなか大変です。

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