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人の声

 午睡の時間になると、未満児保育室では、先生たちの歌う子守唄が聞こえてきます。私はずっと午睡の時間オルゴールをかけていたので、オルゴールでもいいのにと思っていたのですが、人の声はいいですね。


 先日、Y先生が、「(0歳児の)Kちゃんはお昼寝の時間になると泣いてしまうんですが、S先生が子守唄を歌い始めると、泣き止んでじっと顔を見てるんですよ。」と話してくれました。そうなんです。S先生の歌う子守唄はとってもすてきで、大人でも思わず耳を傾けてしまいます。


 先週初めて午睡を経験した1歳児のSちゃんは、お部屋がいつもより暗くなったり、お友達が寝てしまう姿を見て、大泣きしました。慣れない場所で眠るというのは、本当に難しいことなんです。子ども達が入園して慣れていくまでの最初のハードルは食事で、その次はお昼寝です。よく知らない場所でよく知らない人たちと眠るのはとても怖いことなのですね。食事ができて、午睡ができるようになると、あともう少しです。


 最初の日、M先生がSちゃんを抱っこしてずっと歌を歌っていたのですが、どうしても泣き止んでくれないので、とうとうこの日は諦めて午睡を止め、遊ぶことにしたようです。そうすると、ご機嫌で遊んでくれました。


 翌日、大泣きしているSちゃんを抱っこして、T先生が歌を歌っていました。昨日の様子からすると難しいだろうなと思っていましたのですが、意外にも、わりと短時間で眠ってくれ、ほっとしました。通常の保育ができるまでもう少しです。


 最近、人の声で感動したことがあります。阪急百貨店や福岡市の図書館でお話の会をされている富原美智子先生の素話(ストリーテリング)を聞く機会に恵まれた時のことです。富原先生は、大人むけの山笠にまつわるお話のさわりを語ってくださったのですが、ほんの短い時間だったものの、そのきれいで穏やかな声に引き込まれてしまいました。人の声は本当に美しいです。


 大変お忙しい上に、ご高齢でいらっしゃるのですが、幸運にも、9月から毎月1回りんごの花保育園でお話し会をしてくださることになりました。未満児と以上児に分けて、お話や手遊び、わらべ歌をしてくださるそうで、私たちも勉強させて頂きたいと思っています。こんな素敵な声を真似することはできませんが、人の声の美しさを次代に伝えていきたいと思っています。

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