サザエさんの陰謀

昨日のブログを読み返して、『サザエさんの陰謀』についての説明を書いていないことに気づきました。陰謀というくらいですから、そこに目的達成のための秘かな計画があるということですね。

　講師の先生が話された内容には、誰がどんな目的で何を目論んでいるかという話はなかったのですが、『サザエさん一家』がすでに過去の家族形態であるにも関わらず、現実とかけ離れている感じがしないのが陰謀なのかもしれません。日本のほとんどの家庭が『サザエさん一家』のようであれば、現代社会の問題である不登校とか引きこもりとか家庭内暴力などありえないでしょうね。

専業主婦のお母さんがいて、毎日早く帰ってくるお父さんがいて、きょうだいが同じ部屋で眠っていたり、夜ご飯は家族全員で食卓を囲むような家庭であれば、困ったことや悩みなどなんでも話し合える親子関係ができると思います。

　マイカーを持たなくても、休日には電車やバスを使って出かけ、まとまった休みにはみんなで旅行に行く・・・やはり現実社会とはかけ離れていますね。日本社会の家族のいいところを凝縮したようなサザエさん一家は、みんなの憧れの家族です。

　講師の先生が、サザエさん一家の年齢はずっと変わっていないですが、もし5年後があるとしたら、どう変わっていると思いますか？と問いかけられました。カツオは１６歳になって煙草を吸って学校から呼び出されているかもしれない、ワカメは１４歳で、お父さんのパンツと一緒に自分のものを洗濯しないでって言っているかも？サザエさんは２９歳になっていて、もう専業主婦はいやで仕事を始めているかも？マスオさんは中間管理職になり、くたびれ果てているかも？容易に想像できますが、そう考えると現実は厳しいですね。

・・・ずっと時間が止まっているアニメの世界はいいですね。私たち人間は、日々変化し、発達します。生活や人間関係が変わり、そのたびに新しい環境の中で悩み、苦しむ・・・だからこそ成長するのでしょうが、生きていることは大変だなと思うことが多々あります。

　現在、乳幼児のお子さんを育てていらっしゃる保護者の方は、日々の世話が大変と思ってあるかもしれませんが、自分で自分のことができる小学生になったら、また別の悩みや大変さが待っています。常に人は成長し、その中で新たな問題や課題に直面しますからね。

　『サザエさん』は、生老病死の４つの苦悩がなく、幸せで安心な世界の中で変わらない家族の良さを見せてくれます。だからこそ、５０年以上もスタイルを変えずに続いているのでしょうね。理想の家族を演じてくれるサザエさんの陰謀に巻き込まれるのも悪くはないと思えます。