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就学前の心情

 りんご組(3・4・5歳児)の保育室に行くと、5歳児のAくんに、「園長先生、3月になったらいいことがあるよ。」と言われたので、「なに?」と尋ねると、「3月になったら、保育園にLaQ(ブロック)を全部持ってくるよ。もうAくんいらないから、保育園で使って。金とか銀とかいっぱいあるから。」と目をキラキラさせながら話してくれました。


 今朝、5歳児のYちゃんと歩いていると、「もうすぐ小学校だね」という話になり、「小学校に行ってもいつでもりんごの花保育園に遊びに来ていいんだよ。先生たちみんな待っているから。Yちゃんが大きくなってりんごの花保育園の先生になってくれたら嬉しいな。」と言うと、Yちゃんも目をキラキラさせながら、「うん、わかった」とうなづいてくれました。


 こんな話が出てくる時期になりました。卒園まであと4か月。きっとあっという間なのでしょうね。寂しいです。目をキラキラさせて入学前の話をしてくれる5歳児の子ども達ですが、その心の中は複雑です。10月・11月に就学前健康診断があって、それぞれの小学校に行ったことで、期待よりも不安の方が大きくなってしまったようです。


 「小学校に行きたくない」「ここ(保育園)の方がいい」という言葉もよく聞かれるようになりました。就学前健康診断で小学校に行ったことで、就学が現実味を帯びて繊細な心を揺り動かしたのかもしれません。新しい世界は誰でも怖いですよね。


 昔は、地域の中で異年齢で遊んでいたので、小学生は身近な憧れの存在でした。早く〇〇ちゃんと一緒に小学校に行きたいと思いました。何も怖くなかったです。今の子ども達は限定的な人間関係の中で生活しているのでかわいそうです。「一緒に学校に行こう」「大丈夫だよ。困ったときは助けてあげるからね。」と言ってくれる知り合いが誰もいないのですから。


 それでも子どもたちは、勇気を出して小学校に一歩を踏み出すのでしょう。その一歩がより力強い歩みになるように、保育園で力と自信をつけさせてあげたいと思います。


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