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ごめんね

お盆期間で、登園する子ども達が少なかった日のお話です。3歳児のAくんと4歳児のBちゃんが、朝からずっと仲良く遊んでいました。いつもはあまり接点がない二人ですが、それぞれ仲良しのお友達がお休みだったので、保育室の中でごっこ遊びをしたり、ブロック遊びをしていました。

 そろそろ保育室の遊びに飽きてきたようだったので、「お外に行って遊ぼうか?」と言うと、あっという間に片づけをして、二人とも「裸足で遊ぼう!」と園庭に飛び出していきました。

 とても暑かったので、やっぱり水遊びが始まりました。園庭の山に水を流しながら、Bちゃんは水がたまった穴の中に体操服のまま座り込みました。Aくんも、Bちゃんの横に座りたいのですが、狭くて座れません。

 「かわって!」「いや!」しばらくその会話が続きましたが、なかなか代わってくれないので、怒ったAくんは、Bちゃんの帽子に泥を掛け始めました。「泥をかけるのはダメだよ。」と私が言うと、「いや!もう遊びたくない!」とさらに怒りが増してしまったようです。

 二人に、「どうすればいいと思う?」と問いかけると、Bちゃんはすぐに「ごめんね。」と謝りました。それを聞いたAくんは「いや!」・・・なかなか怒りが収まらないようです。「Bちゃんは、頭に泥を掛けられて嫌だったと思うよ。でも、『ごめんね』って言えたね。Aくんはどうする?ずっと怒ってるの?」

 なかなか気持ちが切り替えられないAくんは、怒ったままお部屋に戻り、シャワーを浴びて着替えてお部屋で遊び始めました。もう一度話した方がいいかな?と思っていると、お部屋の中から、「さっきはごめんね!」とAくんの大きな声が聞こえて来ました。

 やっぱり、「ごめんね」を言いたかったんですね。気持ちを切り替えるのに時間がかかる子もいます。すぐに、「ごめんね。」と言えたら、子ども自身も楽になるのでしょうが・・・。

 おやつを食べる時に、Aくんの隣に座ろうとしたBちゃんを見て、「Bちゃん、Aのことが好きと?『さっきはごめんね』って言えたから?」と尋ねていたそうです。『ごめんね』と自分から言えたことが、とても嬉しかったんでしょうね。

 けんかになった時に、「ごめんね」「いいよ」と言えればいいのでしょうが、素直になれない心の葛藤を乗り越えて、「ごめんね」と言えた自分の成長を感じていたAくんの姿を見ることができて良かったです。

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