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大事なこと

 先週、心を揺さぶられることがありました。子どもの心に触れた時に感じるあの感覚です。何かのきっかけで気持ちが不安定になったZくんは、その気持ちがだんだん昂じて、収まりがつかなくなり、担当の先生を叩いたり蹴ったりしていました。


 「やめて。先生だって叩かれたら痛いよ」と言うとさらに苛立ち、激しくなりました。そんなことはZくんだってわかっているので、言われると余計に感情が昂ぶります。どうすれば落ち着くんだろう?と思いながら、対応を交代してもらいました。Zくんの気持ちを逆撫でしないように気をつけながら、「保育園を壊したい!」「こんな保育園なんて大嫌い!」という言葉をやんわりと受け止めていたのですが、なかなか気持ちが鎮まりません。


 そんなところに5歳児のHくんがやって来て、怒っているHくんの頭を優しく撫でてくれました。その途端、Zくんはシクシクと泣き出しました。今まで怒って泣いていた泣き方とは明らかに違いました。子どもの力はすごいですね。あんなに苛立っていたZくんの心がすっと落ち着いた瞬間でした。


 その時に、一番辛い思いをしていたのはZくんだったということがわかりました。苛立った心を鎮めることができずに一番困って傷ついていたのはZくんでした。それがHくんにはわかったのかもしれません。


 困った行動があると、どうにかそれをやめさせたいと思ってしまいます。それをわがままだとか、このまま好きなようにさせていたら大きくなった時に困るから叱ってでも矯正しなくてはと思ってしまいますが、それは違うと改めて気づかされました。


 叱ったり、強制して行動を変えさせるのではなく、今この時の子どもの気持ちに寄り添いながら、子ども自身が自分は大丈夫と思えることの方がずっと大事ではないかと思います。Hくんに助けられて、Zくんの辛い気持ちに気づくことができました。ZくんもHくんの手の温かさに救われたと思います。ありがとう、Hくん。



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