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モデルになる

  「園長先生、見て下さい!消防車ごっこが広がっています!」と笑いを含んだ声でS先生が事務室の私が座っている後ろのドアをノックして教えてくれました。私の座席は、振り返ると、園庭がすぐに見渡せるのがとてもいいところです。いつも子どもたちの声に、姿に元気をもらっています。


 はな組の子どもたちが、水道のホース・リールを掴み、果敢に火を消そうとしていました。「助けて!」と声を上げるT先生にホースを向けるものの、ホースのノズルの取り合いになってしまいました。みんな一番前がいいですよね。でも、リールからホースを出す子やホースを引っ張る子など役割分担して、楽しく火を消して、T先生を助け出すことができました。


 今週土曜日の生活発表会では、1・2歳児が「消防車グループ」と「歯医者さんグループ」の2グループに分かれて、ごっこ遊びを発表します。いつものごっこ遊びなので、アドリブいっぱいの楽しい発表になりそうです(子ども達の自由な動きが少々心配ですが)。


 はな組ではアイテムを購入したので、歯医者さんごっこもさらに盛り上がっています。歯医者さんがたくさんいて、聴診器をつけてお腹を見たり、薬を処方してくれます。注射器をもって注射をするとき、なぜか顔が怖くなるのがおもしろいです。


 子どもたちは、身の回りの人をモデルにごっこ遊びをします。真似をしたい憧れの人がいることが大事なのですね。昨日、りんご2組のMちゃんが、「大きくなったら、りんごの花保育園の先生になりたい」と言ってくれました。久しぶりの『保育園の先生になりたい発言』で嬉しかったのですが、いつも子どもたちのそばにいる私たちは、子どもたちがなりたいと思ってくれるようなモデルにならなくてはと思います。


 「Mちゃんが大きくなってりんごの花保育園の先生になるのを楽しみに待っているからね。長生きしなくちゃ」と口にして、私もそんな発言をする歳になったんだなぁと思いました。ちょっと複雑な心境ですが、先日読んだ臨床心理学の本でとてもいいことを知りました。


 心理学者のホーンとキャッテルが唱えた生涯発達的モデルでは、流動性モデル(生得性が高く、学習の影響を受けにくい)は20歳を過ぎる頃から低下を示すのですが、結晶性能力(教育や文化、学習経験の影響を強く受けるもので、語彙力や社会的知識など、主に言語性にかかわるもの)は、老年期に至るまでゆっくり上昇し続けるそうです。勇気をもらいました。ゆっくり上昇できるように、子ども達のモデルになれるようにがんばります。

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