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厳しい保育園経営

 先日、園バスの中に取り残された5歳児の男の子が熱中症で命を落としてしまった事件の続報を見て、いろいろ考えさせられます。5歳児の男の子が、どれほど苦しみ、誰も助けてくれない絶望感の中で亡くなったことを想像すると、胸が潰れるような痛みを感じます。これからもずっと続くご家族の方の苦しみはいかばかりでしょう。  報道で知る園の杜撰な管理体制には同業者として疑問を持ちますが、決して他人事ではないと思います。マニュアルの形骸化や、職員間の連携のまずさなど、自園を振り返り、改善しなくてはと思います。


 ネット上には、園長が故意に園バスに閉じ込め、降ろすのを忘れたのではないかという書き込みもありました。それはあり得ません。子どもの熱中症のリスクの高さは、充分知っているからです。ネット上の書き込みは本当に怖いと思います。

 保育園は、長年にわたり、慢性的な人手不足に陥っています。早く登園する子ども達をできるだけ多くの保育士で受け入れるために、園長が一人で園バスを運転して子ども達の送迎を行っていたという報道もありました。真実かどうかわかりませんが、自分が頑張ればどうにかなると思ったのかもしれません。心情的にはわかります。まさか、こんな悲惨な事件を引き起こしてしまうなんて想像もしなかったでしょう。

 雇われて園長をしていた頃にはわかりませんでしたが、保育園の経営は厳しいです。削減できるとしたら人件費しかありません。問題の本質をすり替えてはいけませんが、今回の事件の根本に保育士の人手不足や運営の厳しさがあるのではないかと思います。保育士の処遇改善も大きな課題です。


 どんなに経営が大変でも、子どもの命や幸せな毎日を守るのは私たちの使命です。今回の事件の重さをしっかり受け止めなくてはと思っています。

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