少子化の波
よく知っている短大が学生募集を中止するというニュースが次々に流れ、寂しいなと思うと同時に少子化の波を肌で感じます。4年制大学への進学希望者が増えたことも理由の一つでしょうが、間違いなく少子化の影響です。
ずっと非常勤講師を務めている短大のことも心配になります。昨年、外部委員会にも出席したのですが、短大は相当な危機感を感じているようでした。どうすれば学生が集められるか、いろいろな意見が出ていましたが、特別な策はないように感じました。
発達障がいと言われるお子さんが増えていて、保育園でも対応に苦慮しているので、発達支援にかかわる資格取得のためのコースを作っては?と意見を言ったのですが、あまり興味を持ってもらえませんでした。保育園や幼稚園でサポートが必要なお子さんに対応できる保育者がいるのはとても助かります。必要とされているのは間違いありません。いろいろ伝えてみたのですが、なかなか伝わりませんでした。現状を変えること、これまでの考えや方法を変えるのは難しいですね。頭を柔らかくして、考えてくれるといいのですが・・・。
短大や大学に少子化の波が押し寄せているということは、10年後に保育園がその波に晒されるということです。何度も書いていますが、この10年間が少子化に歯止めをかけるラストチャンスだと言われています。特にこの3年間の政策が重要なので、「こども誰でも通園制度(仮称)」が急速に推し進められています。こんな大きな制度改革を1年足らずの検討期間で実施しようとしているのですから、国の中心にいる人たちの少子化への危機感は相当なものだと思います。
12月に第4回「こども誰でも通園制度(仮称)」の検討会議が行われ、オンラインで視聴したのですが、どの団体の代表者の方も口をそろえて「すばらしい制度」だと言われ、「ぜひこの制度を担いたい」と話されていました。子育てにかかわる人たちの同意が得られ、後は予算がどの程度つくかによってこの制度の行末が決まるのでしょう。
保育士の配置基準は、一時保育と同じですが、その半分は無資格の人でもいいことになりそうです。見えない、わかりにくい、でも差が大きい保育の質をどのように担保するかが大きな課題だと思います。