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本気のインクルーシブ保育を

 先日、『インクルーシブ保育を行う保育園が開園した』というニュースが流れましたが、認可保育園であればどの園もインクルーシブ保育を行っています(福岡市だけではないと思います)。


 外国人のお子さんや、障害があるお子さんなどを受け入れる新たな保育園ができたというような報道の仕方に疑問を感じました。一般の方が見たら、保育園は外国人や障害があるお子さんを受け入れていないような誤解を持たれてしまうのは困ります。私たちはもうずいぶん前からインクルーシブ保育を行ってきました。


 でも、残念ながら、インクルーシブ保育を行っているものの、保育内容や環境、人材には大きな課題があります。子ども集団の中に入れれば、外国人であっても、障害があっても自然に育つと思われているかもしれませんが、そんな簡単なことではありません。


 学校には、特別支援教育があり、特別支援教育を担任する特別な資格を持った先生がいると思いますが、保育園にはそんな資格もなく、現場に任されています。外国人のお子さんがいても、言葉がわからないことでたくさんのすれ違いが起こります。


 障害があっても、どう関わるかは現場の先生たちに任されています。私も現場にいるときは、とても悩みました。振り返ると、反省することばかりです。管理職になっても、同じことを現場の先生たちにお願いしているような状況です。


 こんなことではいけないと様々な研修を受けたり、本を読んだりしています。遅ればせながら、障害があるお子さんを理解し、必要な支援をしたいと考えています。でも、これは個人の問題ではなく、システムの問題です。特別支援教育に関わる専門職の先生がいるように、障害のあるお子さんに関わる専門の保育士の養成が必要だと感じています。


 保育園が人手不足であることから、保育士資格がない人に障害のあるお子さんの加配をしてもらいたいという要望も上がっていますが、保育士資格にプラスの資格がなければ、適切な支援はできないでしょう。そんな養成校や養成プログラムができるのはいつになるのでしょうか?一日も早くそんな専門職ができることを心から願っています。

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