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誰でも保育園の生活を

 先日、はな組(1・2歳児)の保育室で、1歳児のTくんとRちゃんがキャッキャッ言いながら追いかけっこをしていました。どちらかというとおとなしいふたりですが、とても楽しそうに大きな笑い声をあげていました。それを見ていたY先生が「いいですね、私の娘は幼稚園だったから、保育園に行っていたら、こんな経験できたのかなと思ったらちょっと残念な気がして。こうやってずっと一緒に大きくなるんでしょうね」と話してくれました。


 こんな小さな子どもを保育園に預けるのはかわいそう・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、保育園は子ども達の興味がある玩具があり、子ども達の動きにぴったりの大きさの机や椅子など、全てが子ども中心に成立しています。


 子ども達が見通しをもって主体的に生活できるよう、毎日規則正しい生活の流れがあって、これもとてもいいところです。さらになんといっても、同じ年齢の友達や、少し年上、少し年下の子ども達がいて、一緒に行動したり、真似をしたり、手伝ってもらったり、手伝ったりという経験ができるのがいいですね。家庭ではなかなかできないことです。


 来年度から『こども誰でも通園制度(仮称)』が本格実施されるようです。これまで家庭で育っていた0~2歳児の子ども達が集団生活を経験することも目的の一つです。地域で遊ぶことがなくなり、一日中親子で過ごしている家庭が増えています。保護者の方と一緒に過ごすことはとても大事ですが、社会から孤立してしまい、保護者の方の中には心に余裕がなくなったり、子育てに自信が持てない方も増えているようです。


 子ども達は、限られた人間関係の中で必要な経験ができにくくなっています。3歳児で入園して、友達と遊んだ経験が全くないお子さんは、慣れにくいのはもちろん、自分のものと他人のものの区別がつかない、順番がわからないなど、お子さん自身が初めてのことに混乱してしまうこともあります。


 『こども誰でも通園制度(仮称)』は、急ピッチで制度がつくられていますが、課題がたくさんありそうです。検討会議では、利用時間は月10時間という案になっているようですが、月10時間はあまりにも短いですね。預けられる子ども達も、預かる私たちも大変だと思います。検討会議をされている方は、子ども達がどんなに慣れるのに時間がかかるかわからないのでしょうね。急ピッチで進んでいるので、いかにこの『こども誰でも通園制度(仮称)』が求められているか想像できますが、『こどもをまんなか』にして考えてほしいと切に願います。 


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